第78話.ワルクラ配信 2

仁《いや、この鯖数年やってる俺らから逃げれるとでも?》


 鈍化の矢の攻撃をもろに食らった僕たちは速攻で追いつかれたとさ、ちゃんちゃん。


零《えっと……それで仁先輩何してたんですか》

仁《ちょい前にマネちゃんからもうすぐ3期生がここに来るって聞いてな》

仁《どうせなら、歓迎するための建築をしておこうと思ってな!》

理波《え?》

零《え?》

そうら《え?》




:おっとなーちゃん?

:あれなーちゃん、やっちゃった?

:仁ちゃんはやっぱ優しいなぁ




 僕たちはそうチャットを送り、視点を理波先輩に向ける。


零《今の仁先輩の言ってることなら、理波先輩は3期生を歓迎したくない、と……》

理波《いや違うんですわ?!》

そうら《せっかく仁先輩がものすごい建築をしてくれたんだと思うのに……》

仁《そうだぞ!》

理波《立派なお豆腐が建っていたのはわたくしの見間違いかしら?》

零《え?》

そうら《え?》




:おっと流れ変わったな?

:そういえば仁ちゃんの豆腐以外の建築見たことなかったわ

:いやいや1つあるだろ!

:あ、たしかに! このちゃんの足りない資材回収に使われてボコボコになった家があったか!

:あー、「まるで私のために作られたかのようなたても……の、なの?」って言ってたなw

:さぁ仁ちゃん、この絶体絶命のときにどう出るか──!




仁《気持ちが込もっていればいいんだよ!》




:おーっと! これは!

:世間一般でよく見かける回答だ!

:言ってやるなw

:だからといって、薄っぺらくはない

:2人に刺さるかどうか……!




「「いや恋人じゃないんだから」」


 僕たちは理波先輩の方へキャラを動かす。


仁《ええぇぇぇ?!?!?!》

理波《ふふん! そういうことですわ!》




:3期生で心動かされるのきゅいあくらいだろ

:リナも結構ロマンチストだから響くんじゃね?

:リナのロマンチストが適応されるのはお兄ちゃんだけです

:あぁ……

:あぁ……

:あぁ……

:みんな理解するの草




零《すごい建築派です》

そうら《上に同じく》

仁《い、いやでも、何も作ってないよりかはいいだろ!》

理波《あら? 誰が何も作ってない、ですって?》


「おっと? これはまさか?」

「そういえば、理波先輩ってよくおもてなししてる印象があるような……」




     ☆




 理波先輩に連れられて来たのは、他の方の配信でも見たことのない4軒の大きな家。


理波《3期生にプレゼントですわ!》

零《一生ついていきます》

仁《なっ……いつの間に……?!》

そうら《仁先輩、完全敗北》

仁《容赦ねえな?! 嫌いじゃねえぜ!》

そうら《えっドM?》

仁《それはさすがに酷くねえか?!》




:そうか、いじめられたいのか

:本人希望ならしょうがないか

:それはそうと、家エグくない?

:ガチそれ

:はいどうぞで渡す次元じゃないw

:センスやば




零《これいいんですか?!》

理波《もちろんですわ! そのためにつくったんですもの!》

理波《外観だけではございません! 中もご覧あれ!》


 そう言われ、近くにあった家に入ると、え、えぇ……?




:うおぇぁ?!

:豪華すぎるだろwww

:なんだこれ……?




 実用性としては皆無のインテリアまでびっしり。それでいてごちゃごちゃ感がなく、おしゃれな雰囲気をかもし出している。


 まぁつまりは。


零《仁先輩……?》

そうら《仁先輩……?》

理波《仁……?》

仁《多くは語らないスタイルが一番怖いのよ!! 言いたいことがあるならはっきり言えや!!》




:逆ギレしないでもらって





《あとがき》


ぼちぼち再開していきます!

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