第58話.そりゃあ、同期に報告しないわけにもいかない

 ミックスライブの全面協力を得られる事がわかり、祐希と八王子に帰ろうと事務所を出た。


「あっ、祐希く〜ん、凪く〜ん!」


 後ろから小走りで来る最上さんに声をかけられたのは、手配してくれたタクシーに乗ろうとしている時だった。


「どうかしましたか?」


 最上さんが到着し、息が整ったところで僕は尋ねる。


「さっき言い忘れてたけど、みずなさんとのことは危険が伴うので、しっかり同期にも伝えておいてくださいね」

「あ〜、俺も伝えようかと思ったんだけど、伝えたら止められると思ってな〜」

「まぁでも、伝えないのが一番良くない気もするよね」

「それもそうだな。んじゃ、あとでグループチャットで伝えておくわ」

「ありがとうございます! ではそれだけですので、今日もこっちまで呼んで申し訳ないです」

「いやいや、これは僕らのほうがいけなかったので」


 そういった後、お互いに頭を軽く下げてから僕らはタクシーに乗り込む。






     ☆






 祐希と話した結果、ちょっと前から始めた【毎週土曜日夜8時の3期生定例会議】という名の雑談通話のときに伝えることに。


『もしも〜し、聞こえてる〜?』

『聞こえてるぞ〜』

『聞こえてますよ』

「バッチリ聞こえてるよ〜」

『んじゃ、まず始めに誰かなんかある?』

『『なし!』』

「あはは、いつも通りだね。だけど、僕と祐希からはちょっと1つ」

『ん? ど〜したの?』

『まぁ、簡単に言うと凪がみずなとコラボするってだけで』

『……え? マジで言ってます?』

「まぁ、いろいろあってね……」

『お兄ちゃん、大丈夫? みずなのことちゃんと知ってる……?』

「それはもちろん! ちょっと、かくかくしかじかありまして……」

『……事務所の許可まで出てるならもう否定できないけど、先に同期のあたしたちに伝えるべきなんじゃ……』

『相談してほしかったです……』

「ごめんね。あんまり2人を危険にしたくなかったのもあったけど、さすがに相談するべきだったね」

『それはそれとして! そういうことならもちろんあたしたちも協力するよ!』

『もちろんです』

『え、俺らが言える立場じゃないけど、結構危険だぞ?』

『2人がいくのに、それを横から見てろなんて無理です』

『そういうこと!』

「……ごめんね」

『おうおう、俺でも分かるぞ? 凪、こういうときは謝るんじゃなくて?』

「……うん、2人ともありがとう!』


 みんなが助けてくれる……。昔みたいに1人じゃなくて、今は仲間がいるんだもんね……。


 こうして、ミックスライブに続いて、3期生も協力してくれることになった。











《あとがき》


少し体調を崩したので、今回は推敲せずに転載させてもらいました。申し訳ないです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る