第34話 約束の前日

良いことも悪いことも、平等に時間は進む。

待ち侘びる人もいれば、その日が来ないでほしいと願う人も。

無情にも時は刻む。


チク…タク…


チク…タク…



考えても考えても答えはでない。

いや…


もう考えても意味がないのかもしれない。

少なくとも1人で考えていても何も変わらない。


会って2人で話すしか…




「じゃあ明日13時頃に家に行くよ」


「わかった」

「その時間には家にいるようにするね」


「うん、ありがとう」


「ううん」


「…じゃあ…明日ね」


「うん、また明日」




ついに明日会う。

あれから1ヶ月と2週間ほど経った。


あれからお互いに色んな出来事があった。


初めて思った気持ち。

初めて気がついたこと。


向き合って話を聞いてくれた。

受け止めて意見を言ってくれた。


1人では無理だったと思う。

助けてくれた人のおかげ。


だから…


もう、あのキッカケがあった時とは違う。



10年という2人で重ねた時間。

その中で固まった少し変な価値観と世界観。


だから、こうしてた。

だから、受け止めていた。

それが2人で普通となっていた。


それがダメだった。


結果論とも言えるかもしれない。

でも、それが壊れた始まり。

いや、ずっと前から壊れていたのかもしれない。



離れて気がついたことがたくさんある。


謝りたいこと、気持ちを伝えたいこと。

色んな想いがある。



窓から見える綺麗な夜空を見上げた。


「はるか…」


「ゆうま…」


それぞれの想いを胸に…

 


約束の日まであと1日。



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