第31話 想いの回答2
「連絡ありがとう」
「その日で大丈夫です」
「時間はどうする?」
「お昼過ぎとかでどうかな?」
「うん…わかった、大丈夫」
「うん、したらそれくらいの時間に家に行くから」
「待っててください」
「…うん」
「じゃあ、来週ね」
ポチっ
「…」
かなり久しぶりのやり取り。
どことなく他人行儀な感じになってしまった。
けど…
はるかはどう思っているかは分からないけど…やり取りできて良かった。
と思った。
来週、一ヶ月以上ぶりに会う予定をつけた。
…会ってどんな話になるか、どうなるかは分からない。
けど、避けて通れないから…
あの時の自分の気持ち。
あれ以降で感じた自分の気持ち。
初めて自覚したはるかへの気持ち。
心から嫌いになっていたら、どこで過ごしていても、はるかのことは考えないはず。
でも、旅行先で頭に出てきた、身体を動かしていた。
それは…習慣だったからなのか?
10年という時間からくるただの情なのか分からない…
でも、はるかのことを考えた。
…僕は本当にどうしたいのか…
どうするのか…
「…会って話をすれば答えがでるのかな」
実家に帰ってきてこのままフェードアウトみたいなことも考えたけど、それは出来ない。
自分の為にも、なによりはるかの為にも。
「…ちゃんとしなきゃ…」
「例え最悪の事態になったとしても…」
あの時、別れたいって言った時はるかはベランダに向かってた。
正直トラウマにもなっている…
でも、今回はどんな答えにいきついても突き通すんだ。
自分の気持ちを。
「…うん、突き通す…」
暗示をかけるように言い聞かした。
〜〜〜
〜〜
〜
ポチっ…
「…ゆうまから連絡がきた」
私からのキッカケだけど、連絡がきた。
今回は電話ではなかったけど…ゆうまからの連絡。
少しだけ嬉しかったし、少しだけホッとした。
まだ何も始まっていないけど…良かったって思った。
「…ちゃんとお話しできるかな、、」
「…でもこれまでのことを伝えなきゃ…」
「…」
…会う事が決まったことで、あの時の光景がの蘇った。
ゆうまが家を出て行った時の…
これまで見たことがない顔をしていたゆうま。
これまで言われたことのない言葉を言っていたゆうま。
すごい衝撃だった…
でも。
あの時は分からなかったけど。
先生と話をして意見を聞いて、初めて分かった。
ゆうまのこと考えていたつもりだった。
理解しているつもりだった。
でもそんな事はなく…
ゆうまに甘えていた。
ゆうまの意見をちゃんと聞こうとしなかった。
そんなゆうまはいつも笑顔で話を聞いて意見をくれていたけど…
その裏で傷つけていた。
「…だから言わなくちゃ…これまでの事を」
「ちゃんと謝らなくちゃ…」
…私は、ゆうまが好き。
それは変わっていない。
でも…これまでどんな事をしていたのか理解したからこそ…
会うのが怖い。
話すのが怖い。
話してなんて言われるか…
どんな顔をされるのか…
怖い…
でも、避けて通れないから。
「ちゃんとこれまでの事を話すんだ…」
心が負けないように言い聞かした。
…
2人とも人を経由して、分かったこと、気がついたことがたくさんある。
2人だけだったら何も変わらなかった。
これまでの状態とは違う。
だからこそ、どうなるのか分からない。
でも今度話す。
場所は2人の自宅で、来週の土曜日に。
------------------------
お読みくださいましてありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?
ぜひお気に入り登録、評価などをしていただけたら今後の参考と活力にさせていただきます!
次回の更新までしばらくお待ちくださいませ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます