クモさんありがとう

 うちに、観葉植物かんようしょくぶつがいるのですが、生き物ですから、古くなったっぱが落ちるんです。


 その、落ちた葉っぱを、すぐ片付ければいいのに、私は放置していたんですね。


 面倒臭めんどうくさいので。


 葉っぱなら、普通は乾いていくだけで、そうそうくさるものでもないですし。


 私は毎日、床に落ちた葉っぱを眺めながら、あとで片付けよう、あとであとで、と思って過ごしていました。


 するとある日、小さなクモさんが、落ちた葉っぱと、床と、近くの壁を使って、巣を作っていたんです。


 クモさんが、一生懸命いっしょうけんめい作った巣ですから、壊せません。


 クモさん、ありがとう。


 私は葉っぱを、片付けなくてよくなりました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る