こものエッセイ集(兼 小ハプニング集)

柿月籠野(カキヅキコモノ)

がっかり

 私、部屋の掃除そうじをしていたんですよ。


 フローリングワイパーで、すうっと床をでると、ほこりが、たくさん集まります。


 久しぶりだったので、埃が、本当にたくさんです。


 ワイパーを動かすたびに、使つかてのワイパーシートに収まらないくらいの埃が、部屋のすみに、山のように重なっていきます。


 その分、部屋は、どんどん綺麗きれいになっていきます。


 あぁ、ここにも、埃が。


 すうっ。


 あぁ、気持ちいい。


 あら、こっちにも。


 すうっ。


 あらぁ、気持ちいい。


 お部屋がもう、ほら、こんなに綺麗に――


 そこで、目がめたんです。


 夢でした。


 部屋は、汚いままでした。


 夢オチか、なんて、がっかりされたでしょうか。


 私も、がっかりです。

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