第64話 2024年1月 相生、初めての確定申告、はじめました ~とりあえず、よく分かりません! こういうの、苦手なんで!~



 確定申告。


 普通にサラリーマンをやってれば、縁がない。まあ、いわゆる「年末調整」? あれで済むからね。


 しかしながら、「ネット小説家ww」となった相生は、今回、確定申告から逃れられない!?






 という訳で。




 相生、初めての確定申告、はじめました! じゃじゃーん!




 やったことないことをやるのって、エネルギーがいりますよねー。不安も多いし。私、不安に押しつぶされるタイプなんで。


 とりま、最寄りの税務署へ行きます。なんも分からんので、基礎・基本から。ネットでの情報収集も大事だけれど、やっぱり誰かに聞くのが早いんです。情弱には。




 その、税務署。


 あれだ。待合室で、番号カードを配布して、待たされる。まるで銀行。


 ……確定申告が近いこの時期だけかな?


 行ったらすぐに話ができると思って甘く見てました。実際、夏に開業届けを出した時は、こんな感じではなかったし。相手が公務員だから舐めてたかもしれません。これは、大変そう……。




 ……税務署での相談には事前予約がいるんだそうです。ここ、気を付けよう。




 まあ、今年、確定申告のやり方を覚えて、来年からはフツーにできるようにするつもりですけれど。


 初めてなんで、何が分からないのかも、分からない状態です。はい。ここを超えてようやく、質問ができるんです。




 さて、30分くらい待って、私の番号が呼ばれて、窓口の方へ移動。


「どのようなご用件でしょう?」

「確定申告をしたいです。でも、初めてなので、何も分かりません。どうすればいいですか?」

「……では、こちらをご覧ください」


 差し出された黄色い紙。「国税に関するご質問・ご相談は、国税庁ホームページで解決!」って書いてあるじゃん。




 ……結局、ネットかよ!? その場で疑問があったら聞きたいんだ! そうしないと先に進めないタイプなんです!?




 いやいや。しかも、1番上にあるのAIじゃん……すげぇ。時代が先に進んでてついていけない。


 それから「タックスアンサー」がある。たぶん、これ、ヘルプ機能みたいなやつだ。


 そして、3番目に電話相談が!


 ようやく4番目に「税務署で相談する」というのがある。ここがほしいんです……。




「とりあえず、何も分からないので? 何をすれば?」

「……電話相談をおすすめしますが……」

「あのー、これ。有料ですか……?」


 私は「0570」で始まる電話番号がなんか怖い。すんごくお金を取られそう。


「あ、いえ。向こうの部屋にある電話を使って、相談することも可能です」


 いや、それならアナタが相談にのってくれればいいんでは!?


 そう口に出さなかった自分をほめてあげたい。


 きっと、職員さんにも、いろいろな事情があるんだろう……。


 こうして、私は、税務署で、税務署から電話をかけて、税務署の人に相談することになりました。






 まあ、いろいろと聞きまくりました。電話の中の人は大変だったかも。


 同じ税務署内にいるんなら、電話じゃなくてもいいんだろうし、そうでないのかもしれないけれど。




 分かったこと。


 その1。まずは源泉徴収表が必要です。これは給与を支給されている職場に言えばいい。うん。毎年、もらってるな、そういえば。それがいるとは……知らなかった……。


 その2。収支内訳書を作る必要があります。もはや、話についていけない。とりあえず、税務署に様式があるということで、あとからもらうことにした。




 とりあえず、「経費って、どうなるのか?」もガンガン、質問してみた。


 経費その1。家賃をそのまま経費にすることはできません。「あん分して」からだそうです。自宅の一角を利用しているから、部分的に経費になるとのこと。これは、電気代とか、通信料とかもそうなるみたい。なるほどなぁ~。


 経費その2。旅エッセイの旅行代金が取材として経費になるかどうか。家族旅行はダメだって。おかんと九州旅行したのは、あくまでも親孝行であって、取材ではない。旅エッセイを書いててもダメ。もうおかんを旅行に連れて行くのは止めよう。あ、そもそも、旅費はおかんが負担してたわ~。

 でも、家族旅行でなく、取材旅行なら経費になる! よっしゃ! エッセイ、書きまくるぜ!


 ……ところが、赤字になるのはあんましよくないらしい。いや、旅エッセイのPVなんてほとんどないやん。どう考えても赤字でしょう?


 そもそも、今回はいろいろあって、青色申告ではなく、白色申告なので、赤字を持ち越せない。


 赤字ばっかりが大きくて、将来的に事業がきちんと成立しないというのであれば、それはダメなんだそうです。

 ええ? 将来的に小説家として文筆業で黒字を出してやっていくって……それは、なかなか難しいのではなかろうか……。




 あと、他にはどんなものがいるのかな、と?


 必要な物その1。健康保険や生命保険の控除証明書。ん? それって「年末調整」と一緒なんじゃないのかな? どうなんだろ? あ、一緒ですか、そうですか。


 必要な物その2。マイナンバーカード、持ってないなら通知カード。あー、あれ、いるんだ。


 必要な物その3。口座番号が分かるもの。還付金があれば必要になるそうです。給与から引かれた所得税、取り戻すぜ!






 そんなことがよく分かった電話相談でした。税務署の電話で相談したので、通話料は私の負担ではない。良かった。


 で、その電話相談で、税務署で「収支内訳書」の様式がもらえると判明したため、もらって確認してみようと考えた相生。


 ……ところが、もう一度受付に行くには、また番号札からのスタート。


 おうマイガッ!


 45分ほど待って、相生の番号が呼ばれて、受付に進む。




 さっきとはまた違う職員さんが対応してくれた。


「どのようなご用件でしょう?」

「あの、電話相談で、『収支内訳書』? の様式が税務署でもらえると聞いたので……」


「ああ、はい。ええと、書き損じの場合も考えて、2部……控えは1部、お渡ししますね」

「おお……」


 もう、なんかよう分からん表が載ってる紙を頂きました。


「……なんか、めっちゃ難しそうですね?」

「そうですね。2/1から、ここで、2/16からはまた別の場所で、相談しながら作成することもできますよ?」


 なんと! そんな安心のサポートが!


「こちらは、国税庁のラインで予約が……」

「あ、ムリ」


 相生、ラインは無理です。情弱なので。ごめんなさい。


 ……もはや国家にラインが取り込まれているのか!? いや、国家がラインに取り込まれている?


「……では、こちらだと、直接ここに来て頂いて、整理券の順番に受付します。予約はありません」

「あ、はい。それなら、なんとか……朝5時とかに並べばいいのなら」

「……そういう人はいないと思います……」


 ……いないんだ。小学生の時、ガンプラを買うのに5時ぐらいから整理券をもらうのに並んだけど?


 そして、シャア専用ズゴッグとジムを買って、コックピットの貫きを再現しようとしてできなかったですねー。

 そもそも1個ずつしか売ってくれなかったし、シャア専用ズゴッグは売り切れてた。私の順番の前に。ジムを単独で買う気にはならなかった……結局、グフを買ったな……ランバ・ラル大尉がかっこいいし……。


「……あの、ご自宅でも確定申告は、可能ですよ?」

「え? そんなことが?」


「はい。IDとパスワードを税務署でとって、そうすれば自宅のパソコンやスマホから確定申告が可能になります」


 ……いやいや。スマホとか、字がちっちゃすぎてムリだから!?


 しかし、パソコンでできるというのはなかなか、捨てがたい。


「そのIDとパスワードって、どうやったらもらえますか?」

「少々お待ちください……今からできるか、確認してみますね……」


 なんと親切な人!? さっきの電話のおじさん、声だけでイライラしてんの丸分かりだったのに! 受付の人はいい人だ!


「……確認が取れました。では、1階の方へ行かれて、そちらでIDとパスワードを取りに来たと伝えて下さい」

「あ、はい。ありがとうございました」


 こうして、相生、IDとパスワードをゲットしに行くことに……。


 たぶん、「事前予約」が本当は必要なんだろうな、これ。






 さて、税務署の1階に移動すると、また別のお姉さんが待っててくれました。


「すみません、IDと……」

「はい。お聞きしています。こちらへどうぞ」


 すぐに設置してあるパソコンの前へと案内されましたよー。すごいねー。


 そこから、いろいろと入力を開始。最初は、全角で漢字かな文字が入力できなくてお姉さんがちょっとパニクってたけど……。


 免許書で身分証明して、お姉さんが入力内容をチェックして……これ、パスワードを見られてる気がするけど、いいの? 本当にこれでいいの? その気になっちゃったら、悪用できるのでは?


 ……とまあ、ちょっとだけ不安に思いながらも「利用者識別番号」と「暗証番号」をゲット。




 ここまで。朝から出かけて、もうお昼です。


 これだけで半日仕事。うーん。大変そうだなー。


 確定申告、頑張りますね。






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