【ASMR短編集】疲れたの？ じゃあわたしが癒やしてあげるね

いつもおっとりしているお嫁さん

「おかえりなさ〜い。ん〜？ 今日はいつもより顔色が悪い……？」

「うんうん……なるほど〜、今日はいつもより忙しかったんだね。それは大変だったね〜」

「じゃ〜あ……こっち来てもらっても良〜い？」

（ヒロインはゆっくりと自分視点の手を優しく引っ張って連れて行く）

「はい、今日は特別、膝枕してあげるね〜。ささ、どうぞ〜」

（ヒロインがゆっくりと頭を撫で始め、自分視点から髪の毛が擦れる音が聞こえてくる）

「結構疲れた顔をしているね〜。ここに大きな隈が出来てる」

「もちろん膝枕をしてあげるのは凄い恥ずかしいよ〜？ でも、わたしがこうしてあげるのは当然だよ〜」

（ヒロインはくすくすと小さく笑う）

「本当に恥ずかしいの？ そんなのもちろんだよ〜。わたしの心臓の音聞いてみる〜？ ちょっとの間でも良いから、わたしの胸の近くで耳を済ませてみて〜」

（自分視点は重い体を持ち上げ、ヒロインの胸の近くで耳を済ませる）

（ヒロインの心臓がかなり早く鼓動している音が耳から聞こえてくる）

「ね〜？ こんなに早くなっちゃうくらいドキドキしているの〜。あ、ごめんね。疲れているのに起き上がらせちゃった……。ほら、横になって〜」

(自分視点は再び横になる)

（ヒロインは前のめりになる。服が擦れる音が聞こえる）

「疲れたでしょ？ 今日は本当にお疲れ様。わたしが疲れを癒やしてあげるね〜」

（ヒロインは再び頭を撫で始め、自分視点の髪の毛が擦れる音が鮮明に聞こえ始める）

「良いの、謝らないで。こうしてあげるのはわたしの仕事だから。女の子より男の子の方が仕事が大変なのは、わたしも知ってるから〜」

「それにね〜、こうやって近くに居られる……。それがわたしにとって一番幸せなの〜」

「だからね〜？ その……次からはこれを毎日やらせてほしいの。そうしたら、なんだかパワーをもらえる気がして……」

「そう、幸せパワ〜！ これがわたしに伝わってくる感じがするの〜。だから、こうして頑張れるの〜」

「わたしはすごい感謝しているの。中学生の時に告白されて付き合い始めて、それからずっと一緒に居て、この指輪をもらって誓って……わたしを毎日楽しませてくれる〜」

「だからね、あなたと結婚できたことすごく嬉しいんだ〜」

（ヒロインの顔がほんのりと赤くなる）

「そ、そんないきなり好きって言わないでよ〜。えへへ〜、わたしも大好き〜！ だから、これからもよろしくね〜！」

「これで満足できた〜？」

「――――それなら良かった〜！ 急に言わせるなんて、あなたも大胆だよね〜。恥ずかしい……」

（ヒロインはゆっくりと少しだけ視線を逸らす）

「でも、結局これ毎日やってるよね〜。しかも昔から。えへへへ〜」

「中学生の時から一日一回は必ず言っては言われてるけど、今もそう言われると恥ずかしくなってきちゃうんだ〜。体が熱くなっちゃう」

（ヒロインは自分視点の顔にゆっくりと両手をそっと添える。いつもよりも手の温度が高い）

「ほら、わたしの体温分かるでしょ〜？ こんなに熱くなっちゃうんだよ？ これもあなたのせいだからね〜？」

「可愛い？ あ、ありがとう……。あなたもいつもかっこいい……。って、また恥ずかしい言葉言わせてる〜！ もう……。ほら、せっかくいつもの体温に戻ってきたと思ったら、また熱くなってきちゃった〜」

「でも……今日も好きって言ってくれてありがと〜！ わたしも大好きだよ〜！」

（ヒロインは満面の笑みを浮かべる）

「えっ、もう十分に疲れが取れたの？ そうなんだ……」

「うん、ちょっと寂しいかも〜。でも、また後でわたしの話し相手になって〜？ ご飯はもう出来ているけど、先にお風呂に入る〜？」

「ん、分かった〜。じゃあ、ゆっくり湯船に浸かって疲れを癒やしてね〜」

「あ、そうだ〜。１つ伝え忘れてた〜」

（ヒロインは風呂場に行こうとする自分視点に駆け寄る）

「今日もお疲れ様〜！」