いつもツンデレなお嫁さん

「おかえり。随分と疲れた顔してるね」


「今日はいつもより忙しかった? あんた男なんだからもっとしゃきっとしなさいよ! ちょっとこっち来て」


(ちょっと乱暴気味に自分視点の腕を引っ張って連れて行く)


「はい。何って膝枕よ膝枕。さっさとわたしの膝の上に頭を乗せて!」


(ヒロインが頭を撫で始め、自分視点から髪の毛が擦れる音が聞こえてくる)


「――――確かに疲れた顔してる。丈夫なあんたが隈作ってるなんて珍しい」


「べ、別にあんたのことが心配だからとか、そんなのじゃないから! あんたが疲れてそうだからこうやって特別に膝枕してあげてるの! つべこべ言う暇あったらさっさと今ちょっとだけ休んで!」


(ヒロインは自分視点の頭を撫で始め、髪の毛が擦れる音が聞こえる)


「は、恥ずかしくなってないから。あんたがこれを望んでるだろうなって思ったからこうしてあげてるだけ。わたしの意志でやってるわけじゃないから!」


(ちょっと頬を赤くしながら、自分視点から視線を逸らす)


「本当に恥ずかしくないのって? ほ、本当だから! ちょっ! 急に何するのよ!?」


(自分視点は重たい体を起こし、ヒロインの胸の近くで耳を澄ませる)

(ヒロインの心臓がかなり早く鼓動している音が耳から聞こえてくる)


「――――っ! へ、変態! 急にわたしの心臓の音を聞かないで! それにわたしの胸のところに耳を澄ませて……! い、いいから早く寝転がりなさいよ!」


(強引に自分視点を寝かせる)

(ヒロインは前のめりになる。服が擦れる音が聞こえる) 


「――――そうよ、わたしは今すごいドキドキしてる」


(ヒロインは再び頭を撫で始める。自分視点の髪の毛が擦れる音が鮮明に聞こえる)


「べ、別に謝る必要なんてない。あんたが誰よりも一生懸命に働いているのは、わたしが一番知ってる。わたしみたいな女よりも、男のほうが仕事で大変なのは知ってるから」


「それに……あんたとこうして近くに居られるのは、わたしにとって一番幸せだから……」


「あっ、い、今のは聞かなかったことにして! り、リピートしなくていいからぁ!」


「――――あんたにはすごい感謝してる。中学生の時に告白されて付き合い始めて、それからずっと一緒に居て、この指輪をもらって誓って……わたしを毎日楽しませてくれる」


「だから、あんたと結婚できたことすごく嬉しい」


(ヒロインの顔が一気に赤くなる)


「にゃっ……!? きゅ、急に好きとか言わないで!」


「――――っ! わ、わたしもあんたのことが好き……。これからもよろしくお願いします……!」


「ど、どう? これで満足した……?」


「――――それなら良かった。きゅ、急に言わせないで……。は、恥ずかしいから……」


(ヒロインは少しだけ視線を逸らす)


「でも、結局これ毎日あんたとやってるよね」


「中学生の時から一日一回は必ず言っては言われてるけど、今もそう言われると恥ずかしくなってくる。体が熱くなっちゃうから本当に勘弁して欲しい……」


(ヒロインは自分視点の顔に両手をそっと添える。いつもよりも手の温度が高い)


「ほら、わたしの体温はこんなになっちゃったじゃない! これもあんたのせいだからね!」


「か、可愛い!? ――――あ、ありがとう。あ、あんたもかっこいいから……って、またわたしに恥ずかしいこと言わせて! ほら、せっかく落ち着いてきたっていうのに、また熱くなってきちゃったじゃない!」


「でも……う、嬉しいからその言葉は受け取っておく。あ、ありがとう……」


(ヒロインは恥ずかしがりながら自分視点から視線を逸らす)


「えっ、もう十分に疲れが取れた? そ、そう……」


「べっ!別に寂しいとかないから! でも、また後でわたしの話し相手になってはほしいというかなんというか……。ほ、ほら! 早くお風呂に入ってその疲れた体を癒やすか、先にご飯を食べるか決めなさい!」


「先にお風呂に入るのね。分かった。ほら! ゆっくり湯船に浸かって疲れを癒しなさい!」


「あ、待って。1つだけ良い忘れてた」


(ヒロインは風呂場に行こうとする自分視点に駆け寄る)


「きょ、今日もお疲れ様!」

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