銀河(ユリース)最弱の賞金稼ぎと朽ちた惑星のハンドガン
ボウガ
プロローグ(改)
今よりはるか先、未来のこと、地球から途方もなく遠い“銀河“ユリース”。
開拓暦2001年。その年に、星間ギルド最弱と呼ばれる一人の賞金稼ぎがいた。その名を“カルシュ・アルシュグルド”。金髪ツーブロック、前にでた奇妙なモヒカン気味のアホ毛、。眉毛は、その天辺に奇妙な傷がはいっている。下がり目で、右目は機械であり同心円状の光彩をもつ。
彼は今日も相棒の小型宇宙船―ロギラ―にのって仕事のために航行をしていた。派手な原色で彩られたその船は、人一人が乗るのがやっとの操縦席に超小型。オート操縦のため、退屈な航行で寝て起きてを繰り返していた。
自分を育ててくれたリグラ神父の顔が浮かぶ。彼は星系教会の神父、多くの孤児を引き取りそだて聖人ともいわれる。彼に引き取られたおかげでこの19の歳まで何不自由なく生活してこれたといえる。彼はいつもいう。
「いつも無茶をして、死にに急ぐような事をするな、君はまだ若い」
そしてもう一人、カルシュの憧れ。賞金稼ぎのトップ“クラヴィス・アスター”同じエラの衛星“クララ”出身で、痩せながらも筋骨隆々、体の要所はサイボーグ化している“不死身”の超戦士。黄色のジャケット、黄色のスカーフ。黒髪で、きりりと整ったソフトモヒカン、電撃のような剃りこみ。捕まえた賞金首は数知れず、星間警察が畏敬の念を抱くほど。彼とは知り合いで幼いカルシュにやけに優しくしてくれていたし、気にかけてくれた。
「フッ……」
彼に比べて自分は……現実が逆境であればあるほど彼は、笑みがこぼれる。するとなけなしの勇気がわいてくるのだ。そうして彼が背もたれに体をあずけると同時にその船はある惑星、ごつごつした地表の惑星―キャバル―の大気圏外に到着した。そこから依頼があったのだ。超低ランク、F級の依頼が。
彼はまだ寝ぼけた意識のためやがて忘れるが、惑星から遠く小さく響く声があった。
―“50年周期で66回目の目覚め、今こそあなたと出会うとき、まだ見ぬあなた、早くここへ、私のもとへ、あなたはまだあきらめてはいけない、そして、私を解放して”―
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