第10話 ツインレイ

ある日敬子は動画を見ていると、ツインレイの動画が出てきた。敬子はその動画を食い入るように見た。

そこにはツインレイのことが詳しく流れ、一度見始めると次々と情報が出てきた。

スピリチュアル的なことだが、実際にツインレイはいることを知る。

それは一つの魂が二つに別れ、別々にこの世に生をうけること。

唯一無二の存在で、性別も年令も違うこと。

立場が真逆なこと。

陽と陰であること。

幼なじみや同郷ではなく、むしろ離れた場所にいること。

共通点があること。

一緒にいて素直な自分を出せること。

話していると心が安らぎ、穏やかに時間があっという間に過ぎること。

耳に頭の中に声が忘れられないこと。

その声が心地よいこと。

一度離れること。

離れても常に相手のことを考えてしまうこと。そしてなんとなく相手の状況が分かること。

逃げるのが男性でランナーと呼び、追いかけるのが女性でチェイサーと呼ぶこと。

男性は今の自分では女性を守れないと思い逃げてしまうこと。そして自分に自身がついたら女性のところに戻ってくるということ。

何年経っても忘れられないこと。


敬子はこれだ!と思った。だが、確信がない。居場所はすぐに分かってしまうのに、連絡はしてはいけない。そのツラさがあった。

敬子の胸の中に、込み上げてくる熱いものを感じていた。


数ヶ月後、敬子は我慢出来ずに遂に、真壁のツイッターのアカウントにメッセージを送った。

makabe_0201。アカウントは初めて見た時から覚えていた。そして『先生、もしかして今隣りの県にいる?看護師さんたち、誰も先生のこと嫌っていないよ。むしろ良い先生だったって言ってたよ』と、メッセージを残した。真壁は警戒心が強いから、許可を経た人だけが真壁のアカウントに入ることができるように、ロックをしていた。

そして次の日敬子は、また真壁のツイッターのアカウントを見ると、ブロックされていた。

敬子は悲しみもあったが、どこかでこうなることも理解していた。

もう、真壁がいない現実を受け止めなければ前には進めない。そう思った。



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