第7話  5歳

いつかの俺視点


 「勇者、また妹が出来るのよ」


「えっ??」


「えぇー!!」

俺よりゆかが驚いている。


 母は自分の腹に手を置きながら

 「今度こそは大切に育てるんだ」


と言っている。


ーーーーー


 「お兄ちゃん!!」


「どうしたのゆか??」


「新しい妹が出来ても私が一番の妹だからね!!」


「うん」


「私だけの王子様なんだからね!!」


「そうだね!!」

 そんなこと言われると俺の調子が上がる。


ーーーーーー


 その日、両親は居なかった。


 「ゆか??」


ゆかはさっきまで一緒に居たのに、トイレに行った後に居なくなった。


 俺は急いで、家の中を探した。


 そして、玄関がいつもよりごちゃごちゃしていることに気がついた。


 俺は急いで扉を開けた。


 そして、ゆかのさらわれる姿を見つけた。


 「ゆかぁー!!ゆかぁー!!」


ゆかは口を縛られている。


 俺は最初は絶望したが、すぐに動かないとゆかは助けられないことに気づいた。


 そしてお母さんの言葉を思い出す。

 「もし何かあっても、私たちをたよるんじゃないわよ」


 と言っていた。


 だから俺は近所の人に頼み込んだ。


 そして、警察はすぐに動いてくれた。


 同時に俺はあることを思い出した。子どもながらに直感が凄かったのだ。


 登園中に通った怖い道。


 俺はすぐに頑張ってそこを目指した。

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