第7話

 「弟、久しぶりに一緒に学校に」


 「嫌だ。じゃあ俺は先に行くから、もし合わせるなら俺はサボる」


「・・・分かった。私は少し遅れて出る」


「兄貴、私はダメかな」


「姉を置いてくのか??」


「そ・・・そんなつもりじゃ」


 「なら、少し遅れていけ、俺は今日は自転車じゃないから早めに出ないといけないから」


「分かった・・・兄貴」


「・・・ん?」


「いつか、いつか、1回でも、いや2回、いや10回でもいいから一緒に行こうね、ね」


 俺は無視して扉を閉める。


ーーーーーーー


 俺はこの学校に戻って来てしまった。


 「本当に戻って来たんだ。」


 幼馴染の桜が俺に声をかける。


 【私を助けてくれたのはアンタじゃないお父さんなの!!もう同情か知らないけど私の近くにいるのは止めて】


 「そうだよ。」


 「・・・季節・・・そのね。あの時」


 続きを言われる前に、俺から桜に言わないといけないことがある。


「お父さんは桜を守った。それは変わらず、お父さんは偉大なことをしたと思う。別にそれに責任を持てとか悔いを持ってとは言わない。でも、お父さんも俺が言われっぱなしだと報われないだろう。だからこれが最初で最後だからよく聞けよ。同情で俺に話しかけるな」


 「・・・っご、ごめんね。」


「学校では可能な限り話しかけるなよ」


 「・・・」


 これは応える気がないな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る