第14夜

大事な人。

大好きな人。


ウチが、勝手に想ってる人。


優しい人。

とても不器用だけど、自分に正直な人。

ちゃんと、自分の芯がある人。

けど、いつも何かを探してて。

大事なモノを喪う怖さ

人の心の脆さを知っている、

故に臆病な人。


人の心が容易く変わってしまうのは、ウチも経験している。

だから、彼に伝えるのも勇気がいる。

ただ単純にその時の感情だけで言っている訳では無いから。

それが、相手の知るところでは無いことも。


顔を知らない人を好きになる、と言う経験は初めてで。

だからこそ、好きになる事にブレーキをかけようとした。

仲良しの友人、でいる事だけでもレアケースだと思ったから。

彼の第一印象は、ツンとした人馴れしない猫。

だからこそ、仲良くなった時にとても嬉しくなった。

そんな関係を、ウチが持ってしまった恋愛感情で壊すのだけは嫌だなと思った。

彼の事は、色々聞いていたから。

自分が恋愛的な意味で彼を好きだと認めてしまったら、それこそ聞いていた相手と同じなんじゃないかと怖かった。

でも、認めざるを得ない状況になって。

認めたら認めたで、凄く欲張りになって行くのが分かって。

それを抑えている。

自分の中にそんな欲があったことに驚いてるのもあるけど、今は。

会ってくれて、毎日通話出来て。

それがとても幸せな事だと思うし、これ以上望むのは凄く身勝手な気がしてしまって。

一緒にいたい、傍にいたいと想う。

それは、ウチだけの想いではしてはいけないと思うから。

なんて事を、ウジウジ考えてしまうくらいウチは小心者なのです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る