【完結】婚約者が俺のことをバカ王子と呼んだ件 ~バカを治すのは難しいが浮気しないで頑張るからどうか捨てないでほしい。
朱音ゆうひ🐾
1、婚約者が俺のことをバカ王子と呼んだのだ
『王国の若獅子』の異名をもつ第三王子、ライアンには悩みがあった。
「婚約者が俺のことをバカ王子と呼んだのだ」
王子に悩みを相談された騎士ノウキンと魔術師レデンツは顔を見合わせた。幼少期からライアンの学友だった二人は、信頼できる側近だ。
「殿下、それは惚気でございますかなッ!」
騎士ノウキンは、声が大きい。
「声量を下げてくれ、耳が痛い。というか、バカ王子と呼ばれた話が惚気? え、どこが……?」
「あれです、『もう、殿下ったら。バカぁっ……♡』……的なッ!」
「もっと声量をおさえてくれ。話を戻すが、リミリアは俺をカエルでもみるような眼でバカと言ったのだ。しかもその後、気絶した」
リミリアというのは、ライアンの婚約者だ。
公爵家の令嬢で、ひとことで言うと可愛い。
婚約は、最近したばかり。
まだあまり互いを知らないが、リミリアがライアンを見る眼には、王族への敬愛の念があった。
それが急に「獅子だと思っていた生き物がカエルだった」みたいな眼になったのだ。目に見えて好感度が下がったのだ。
「殿下はその後いかがなさいましたかなッ!」
「リミリアを医者に任せた。そしてお前たちを呼んで、今に至る」
「バカですね」
魔術師レデンツがスパッと言い放つ。
「なっ、なんだと」
「おや殿下。ご気分を害されたのですか? ですが、言われた言葉を気にするのはいいとして、リミリア嬢のご体調は心配なさってないのですか? うわ、最低」
「し、心配もしてる! 当然ではないか!?」
「本当に? 行動で示してほしいですね」
ライアンは顔を赤くして拳を握った。
「お、俺は今から見舞いにいく!」
「うおぉ、ついて参りますぞッ、護衛ですからなッ!」
騎士ノウキンはちょっと暑苦しかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます