第23話

「それが、誘われてもない様子で」


「えー?まじで?」


「あ、笑理から連絡きました」


どうだったんだろうか…。緊張しつつ電話に出る。


「ごめん亮介くん!私が忘れてたみたいで!今日は遅くなるかも」


「…大丈夫だよ。今、守さんのとこにいるから」


「そうなの?犬小屋のこと?」


「いろいろ話したくて」


「そっか。わかった」


「じゃあ楽しんで」


「うん」


なんだよ…焦った。


「笑理がうっかり忘れてたみたいでした」


「へぇ〜おっちょこちょいなとこあるんだ」


「はい」


「じゃあご飯食べて行きなよ」


「え、いいんですか?」


「いいよ!今から注文するね。お寿司とかは?」


「え、いや、そんな…贅沢な」


「気にしないで。俺が食べたいから」


「な、なら…ありがとうございます」


守さんは贅沢なものがお好きなのか。うちに来た時は、兄貴の料理とか、親父の惣菜を食べさせていた。申し訳ない。


「亮介くんは、お酒って飲む?」


「少しなら」


「ワインは?」


「え、いや、飲めますが…」


なんでこんなもてなしてくれるんだ?

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