空隙

吐きそうだ。視界が歪んでいく、頭の中央に生まれた底なしの穴に君との軌跡を流し込む錯覚を抱いた。揺らいでいたら過去になる。君のことが大切だと証明し続けるために毎日花を手折る。心は離れて酷く痛んでいて限界だったらしい。熟しすぎた恋心は腐り落ちて深淵に溶けた。空っぽの身体が心地よい。

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