理科室のひみつ

地中奥深くに真摯にときめく初恋を屠った。世界をリトマス紙で測ってアルカリ性の恋心は叶わないと気づく。中和されない激情を薄めて青色に光らせたら少しは報われる気がして、夜光虫に誘われるがまま夜の街を歩き出した。蠢く生命の気配が生温かくて気持ち悪い。白い線から落ちたら私は地獄へ落ちる。

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