第43話 魔王城を目指せ
レイの転移魔法で中央大陸に着いた後、レイ達は探索を始めた。
「なつかしいのぉ。」
「ミストはそうだろうな。魔王城から外に出る事もあったのか?」
「そうじゃな。暇な時は城の外で魔物に魔法を試したりして遊んだりはしていたな。」
「どうしたのレイ?」
「ああ。ミストはあそこの魔王城にいただろ?中央大陸が懐かしいみたいなんだ。」
「そう言う事ね。でもここってなんていうか・・・空気が悪いって言うか・・・」
「マリーの言う事もわかるよ。なんていうかさすが魔王の住処って感じだよな。」
「ええ。たしかにそうね。ここって、いつもこんな天気なのかしら?」
「ミスト?中央大陸って晴れてる日とかあるのか?」
「我は見た事ないのぉ。常にこんな感じで曇ってるぞ。」
「中央大陸はずっとこんな天気らしいぞ。さすがにこんな所に長期間いたら気が滅入るな。」
「そうね。それでここから南に向かったらアルフェンっていう魔王がいるのよね?そこに向かうの?それとも・・・ミストのいた城に向かうの?」
ミストのいた城か・・・たしかゲームでのラストダンジョンだったよな。取り忘れたアイテムとか装備ってあったかな?いや、たしかあの魔王城は残りの2人の魔王が取り合いしてるって話だったか。転移魔法でミストがいた魔王城へは一瞬でいけるけど今は行かない方がいいか。アルフェンよりも強いって話だもんな。今の俺の強さでもアルフェンに勝てるかどうかすらわからないのに、それ以上の魔王に挑むとかムリゲーだし。
「いやミストのいた城は、他の魔王がいる可能性がある。今はアルフェンの討伐を優先しよう。海に船が止まってる所を見るとボルテックス達も来てるみたいだし周囲を警戒しながら進むとしよう。」
「わかったわ。歩いて行くの?それとも空を飛んで行くの?」
「ミスト?魔物の場所はわかるんだよな?それと勇者達の居場所ってわかるか?」
「我がわかるのは魔物だけじゃ。じゃが周囲に勇者達はいないと思うぞ。」
「どうしてわかるんだ?」
「中央大陸にいる魔物達の気配が消えないからじゃ。もし勇者達が中央大陸を移動してるなら魔物の気配が消えてもおかしくないじゃろ?それがないから勇者達はすでに魔王城の中に入ってるのかもしれんな。それか魔物がいない場所で休憩してるかじゃ。」
なるほどな。そういった見方もあるのか。まあ空を飛んで移動しても問題はないけど、少しでもレベル上げしたいし魔物を倒しながら進んでいくのがいいな。空を飛びながらの戦闘はまだまだ不安だから、魔物が多い所に行って都度都度倒すのがいいかな。
「アルフェンと戦うまでに少しでもレベルを上げたい。ボルテックス達の動きは気になるが、当初の予定通りミストに魔物の場所を調べてもらって多そうな所に向かって倒しながら進んで行こう。」
「わかったわ。」
「吾輩も久々に暴れたいのぉ。」
「ああエンキも頼んだぞ。ここならエンキが満足する魔物も出るだろうから思う存分暴れてくれ。」
「俺様もたまには暴れたいぞレイよ。」
「フェニクは一度力を使うと、しばらく動けないんだ。あんまり力を使いすぎないようにしろよ。」
「わかってるぜ。」
ふと思ったけど、ここで俺が魔法を使いまくったらボルテックス達に気付かれる可能性があるんじゃ・・・ならあまり魔法は使えないか・・・まあ剣だけでも、今の俺のレベルとマリーからの強化魔法があればなんとかなるか。
俺達は、見つけた魔物を片っ端から倒しながら大陸の南へ移動した。出てくる魔物はどれもこれも凶悪な魔物だった。デュラハン、ミノタウロスキング、デスベアー、オークキングにゴブリンキング、どの種族もキング級の魔物が部下を引き連れていた。
アルフェンがいる城を発見するまでに3日かかったが、俺とマリーはそれぞれレベルを3つ上げる事に成功した。更にマリー、エンキとの連携も高まり魔物との戦闘が効率よくなった。
そして・・・
「明日はいよいよ魔王城に行くのよね?ボルテックス達はすでに城の中にいるのかしら?」
「どうだろう?ミストどうだ?」
「わからぬ。中央大陸におる魔物達の気配はそのままじゃから多分城の中におるんじゃと思うが確信はもてんな。」
3日もあればボルテックス達の動向ぐらいわかると思ったが全くわからないとは、アイツら何やってるんだ?魔王城でレベル上げでもしてるのか?たしかに新しく入ったメンバーはレベルがカンストしてない可能性もあるから、そういう事をしてるかもしれない。だけど3日も魔王城にいるか?あのボルテックスが??ないない。ありえないよな。って事は魔王城にボルテックス達はいない?
「なあミスト?すでにボルテックス達に魔王が倒されてるって可能性はないか?」
「それはないぞ。魔王城は魔王自体が結界を張っとるから、我でもここから城の中の魔物の動きは把握できん。じゃがその結界は魔王が死ねば無くなるはずじゃ。いまだに城の中の事がわからないという事は、アルフェンはまだ死んではおらぬという事じゃ。」
「なるほど。ならやっぱりボルテックス達は城の中にいるんだろう。マリー。やっぱりボルテックス達は城の中にいるみたいだ。城の中で鉢合わせたらやっかいだ。アイツらが城から出るまで待つか?」
「そうね・・・でも魔王に殺されてたら出てこれないし、警戒しながら中を進めばいいんじゃない?」
「それもそうだな。」
そうして、明日から魔王城に入る事を決めてレイ達は休むのだった。
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