第5話 吸血鬼とロイヤルミルクティーを

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 全く困ったものです。


 夢にまでみた吸血鬼さんはまさかの血液アレルギーで血が吸えないなんて。

 本当に本当に私の血を吸って欲しかった。念願だったのに。


 だって



 私の血を吸えば貴方を殺せるはずだったのに。



代々吸血鬼を殺す血を受け継ぐ一族。

それが私の家系。



しかし時は流れ吸血鬼も少なくなり現代。

一族も今ではただの一般人。

そんな血を持っていることすら知らなかった。偶然にも蔵にあった文献を見つけるまでは。



最初は先祖の妄言だと思った。ですが調べれば調べるほどにそれは真実であると確信しました!


 ああ!ずっと憧れていた存在。


それが実在したことにも驚きましたがなによりも私の手で、いえ血でその憧れを殺す事が出来るかもしれない。



 ………ゾクゾクしました。



 それからずっと私の頭はその事でいっぱい。血眼になって


 吸血鬼を探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して 探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して



 ようやくみつけました。



 怒らせても、色仕掛けでもなんなら殺されても構わない。

 戦う事は出来ません。血さえ飲ませれば、そうすれば!




 ………しかし見つけた吸血鬼は血が吸えませんでした。




 絶望しました。あの場で罵詈雑言吐かずに我慢した自分を褒めてあげたいくらいです。

 しかしようやく見つけた吸血鬼。次見つかるかも分かりません。ならば隙をみて血を飲ませるしかありません。

 まずは仲良し作戦です。正直お茶会を承諾してくれるとは思いませんでした。びっくりです。


ですが流石は真祖。なかなか隙を見せてくれません。紅茶に入れようとしてもなにが楽しいのか毎回キッチンに張り付いてきますし。匂いにも敏感。すぐにバレてしまいます。


 ですが、焦らずじっくりと。絶対に諦めません。その麗しい顔が私の血を飲み苦悶の表情となるその時まで。想像するだけで笑みが止まりません。楽しみです。


なのでいま暫くはお茶会を楽しむとしましょう。



 


 吸血鬼とロイヤルミルクティーを飲みながら。





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