(二)-11

 そして、事務所を出て、どこに吊そうかと敷地内の建物をウロウロしていると、商品を製造する工場の一番古い建物の軒先がちょうど良さそうに見えた。それなのでその地面の方へ斜めにせり出ている屋根の雨樋の端にテルテル坊主をくくりつけようとした。

 そこにくくりつけるためのヒモが見当たらなかったので、真佐貴は事務所に引き返し、キャビネットの中の備品をあさった。古新聞に巻き付けるためのビニールひもの玉を見つけると、真佐貴はこれを掴んで、さっきの第一工場の軒先に戻った。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る