第37話 【マリン王女SIDE】お母さま酷い
「マリン、お前程無能な王女を私は知りませんよ!」
急にお母さまに呼び出されたと思ったら、いきなりお叱りを受けてしまいましたわ。
「お母さま」
「今日は公式な話ですのでちゃんと女王とお呼びなさい!」
「それではマリアンヌ女王、私がどんな失態をしたというのでしょうか?」
「貴方が追放した理人という少年の事です!」
「貴重な男性を追放した事は謝ります! ですが通例で無能は追い出す慣習があります、私は実際に訓練についていけない彼をしっかり見定め…」
「黙りなさい!能力以外を見落としたわね! せめて男として女性を嫌悪し始める2週間を何故待たなかったのですか! メイドから取り巻きまで全員からの苦言が届きましたが…それだけじゃありません! シャルナから正式な書類が届きましたよ!」
「これは…」
その書類を見た私は最早何も言えませんでした。
追放した理人がこの世界で唯一の『正常な男子』だったのですから。
「この失態をどうする気ですか? 2週間手元に置いて置けば良かっただけです。通例には期間の記載はありません…完全に見落としですね」
「…私の失態です…」
この失態は…駄目だ言い訳が出来ないわ。
「そうですね、この失態の責任を貴方は取らないといけません」
「確かにそうですね…]
「よって貴方には男性の処分の責任者をして貰う事になりました」
「責任者…」
「そう…Eランクの男性の奴隷落ちの宣告、Cランク以下の男性の市民落ち、その実行を貴方に頼むわ…それが貴方の贖罪です」
それは、この世界の大半の男性から恨まれ嫌われると言う事です。
そう…この世界の男性ほぼ全員から嫌われる汚れ仕事。
それを私がさせられるという事ですか…
お母さまは、これ幸いとばかりに押し付けてきましたわね。
「それは私には荷が重く…」
「それじゃ、王女の座も最悪、はく奪しないといけないかも知れませんね…勇者パーティの監視役から来た報告書とお目付け役からきた上申書です」
「これは…」
「勇者達は魔王城への方角と別の方向に向かい豪遊三昧…『異世界人の育成指導の責任者』の貴方が二つも失態をしたのです!この母が出した救済を拒むなら王冠を外して此処から出ていって貰う事も…ああっ母としてはそんな事したくないのですが…」
自分がしたくないから…何時もの押し付けですね…ハァ~
「解りました、お引き受けいたしますわ」
「流石はマリンちゃん良い子ね」
「それで、私は何をすれば良いのでしょう?」
「今はまだありませんが…書類の承認と実働部隊の指揮をお願いします」
「それで、お母さまは何処に行くのですか?」
「うふふっ、男性保護施設です! 年上でもいけるかしら? 」
「お母さま? まさか!」
「だって正常な男ですもん!私だって年上ですがこれでも女王ですから、アンチエイジングばっちりです…でわ~」
「お母さま!」
お母さま…酷い。
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