第26話 実質無料
ライブ会場を後にする時にバインダーを渡された。
バインダーにはさっきのアイドル達の連絡先と写真と自己紹介、個人ナンバーが書いてある。
会いたくなったら男性保護施設で連絡先と個人ナンバーを伝えれば『連れて来て貰える』らしい。
驚いたな。
この世界でアイドルとは『愛をドルで買う』愛をお金で買う存在らしい。
この文化を伝えたのはドルという事から外国人なのかも知れないな。
しかし、魔王軍と戦っていると言うのに随分と平和な気がする。
何となくだが、男は貴重品扱いだから…戦とは無縁な感じがする。
しかし、本当に凄いもんだ。
男性保護法が徹底されているからか、遠巻きには見て来るけど襲われる事も無い。
まだ夜まで時間はたっぷりあるし、今度は何処に行こうか?
暫く歩いていると…女性が檻に入った場所に出た。
「買って!私を買ってーーーっ、私を買ってーーーっ」
「死ぬ気で貢ぐから、お願い私を買ってーーー」
「お兄さん、私を買って、お願い…お願いだよーーお兄さん」
なんだ、此処はまさか!
「お兄さん、此処は奴隷商が経営する奴隷市場ですよ!この国では犯罪奴隷以外は認められていないから全員が犯罪奴隷です…男性が来るような場所じゃありません」
「もしかして男性は奴隷が持てないとかですか?」
「いえ…だって、貴方男ですよね! 男が望めば女なんて全員奴隷みたいな物じゃないですか? 男の望みを叶えない女性はまず居ませんから!」
ちなみにこの世界では男の奴隷落ちは無いらしい。
どんな犯罪も基本的に『精子』の提供で賄える…そんな話だ。
「そういう物なのか?」
「はい、そういう物でございます」
「それで見学はしても問題は無いですか?」
別に奴隷が欲しい訳じゃない。
ただ、見た事も無い種族が沢山居るから…見たい。
それだけだ。
しかし、此処を見ると流石に異世界という感じが良く解かる。
入口近く、一番乱雑な場所に…嘘だろう…エルフが居た。
「なぜ、こんな場所にエルフが…」
エルフって言えば高級な奴隷。
それが常識だよな?
「はぁ…もしかして異世界人ですか? こんな痩せていて力が無い種族価値なんて無いですよ? 精霊魔法が多少使えますが、それだけです!力仕事も出来ない価値が低い奴隷です」
男性が女性を嫌う世界じゃ幾ら綺麗でも価値が無い。
更にこの世界、女性の殆どが綺麗で可愛い。
流石にこの世界じゃエルフの価値も無いのかも知れないな。
「お兄さん、異世界人、買って、買って私を買ってよ~憧れのエルフだよ! 異世界ハーレムの始まりだぁぁぁーーー」
「そんなのより、私の方が良いよ? ダークエルフだから! 買ってよ! 買ってくれたら旅に行こう…ダークエルフと旅、楽しいよ」
容姿はエルフだけど、なんだか中身が違う気がする。
「黙れーーーっ! 奴隷が勝手に喋るな!」
「「ヒィ」」
「ちなみに、幾らなんですか?」
「あっ買います?! 普通に買うなら金貨3枚(30万円) もし性的に使うなら基本無料です。その代わり購入奴隷を使って精子カップを半年以内に12回提出する必要があります」
月2回SEXすれば無料…そう言う事か。
「それって、どの奴隷でも同じなんですか?」
「勿論、普通に買うなら価値は違いますよ!ですが性的な方で購入するなら同じ条件です」
これって性処理奴隷として買うなら実質無料って事だな。
その後、一通り見せて貰ったが、ウサ耳の獣人や狐耳の獣人。
妖精…全部同じだった。
一通り見せて貰ったのでお礼を言って立ち去ろうとしたが…
「凄いですね、男性なのにこんな女性ばかりの空間で普通に居られるなんて…もし奴隷が欲しくなったらまた来てくださいね、貴方に買われたい奴隷が山ほどいますから…」
この世界、凄く恵まれすぎているな。
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