みずち舞う影は 滝穴に刻まれて 寿円禅師の祈りと眠りぬ

いったいどれほどの水量が、この場を通り過ぎたのだろうか。


私はただ、立ちすくんでいた。


洞穴である。

地下を流れる川が、いまも岩を削り続けている。


折しも今日は、豪雨。

広大な空間に響く水音は耳をふさぎ、感嘆のことばを弄ぶ暇さえ与えない。


私はただ、目を凝らす。


思いを馳せる。


穴はいまも、広がりつづけている。

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