第26話 告白
礼音くんと千尋さんに告白する話をした後、俺はG組の教室に来ていた。ここに来てから千尋さんとはまだ話していない。
「おはよう友助くん」
「おはよう千尋さん」
「どうしたの熱でもあるの顔赤いよ」
「それはその......」
「その?」
「君が好きで」
「っ」
千尋さんは自分から言い出したが、顔をそらした。
「友助くん。そういうことはちゃんとした場所で言ってよ」
「俺もそうしようと思ってたんだけど。ごめん」
「大丈夫。そうだねクラスも変わるかもしれないし、友助君がそういってくれてうれしいけど、ちょっと恥ずかしいな」
まだ、お互い顔を赤らめている。次の授業が始まる前、昼ご飯を食べるときの出来事だった。
「学食は何にするの」
「やっぱり一番安いうどんで」
「やっぱり、友助くんと恋人になるのってあんまり慣れないけど、嬉しいよ」
まだお互いの顔を見ないで話している。いつまでこの状況が続くのか。昼ご飯を学食で二人食べに向かった。
「やあ、友助くんに千尋さん。ベリーメロン」
「あのさ、礼音くん。手伝ってくれてありがたいけどふざけないでくれるかな」
「ふざけてなどいないさ。君たちが結ばれているのか確認しに来たんだよ」
「あはは、礼音くんに諭されたんだね。まあ、ありがとう礼音くん。おかげで友助くんと恋人になれたみたいだよ」
「それは良かった。友助くん千尋さんおめでとう」
「ありがとうと言いたいんだけど。恥ずかしいんだよな」
「ううん。私もだな」
お互い礼音くんに感謝しているが恥ずかしがっている。そんな状況だった。
「おうお前ら。今日はやけに距離が遠いな。いつもみたいに馴れ馴れしくしていないでどうしたんだ」
「聞いてよ巧君。友助くんと千尋さんが恋人になったんだ」
「は、マジかよ」
「巧君はいつ恋人ができるだろうね」
「俺はそういうの作る気がねえし。そうか、だからこんな距離が遠いのか。ま、おめでとうな二人とも」
「はあ、いい加減に千尋さんと顔合わせないとな」
「そうだね。友助くん。私もそろそろ顔を合わせるよ」
二人見つめあう。だが二秒も立たず目をそらしてしまう。
「駄目だ。どうすればいいんだ」
「無理に目を合わせないでもいいから食べよう。友助くん」
「そうだね」
こうして俺達二人の甘酸っぱい恋人としての生活は始まった。
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