【完結!】寝取り浮気の原罪〜俺がチャラ男に転生!? 親友の幼馴染彼女と寝取りなのに恋人のような関係で情緒はグチャグチャ〜

パタパタ

第0話それはただひたすらに苦かった

 原罪とは、その人が生まれた瞬間から抱えている罪。


 寝取り浮気には、どうしようもない深い罪が存在する。


 背徳感という絶望の快楽に溺れた者に待つのは地獄である。


 いいや、いっそ当人たちが地獄に堕ちるのは良い。

 自業自得だ、いっそとことんまで地獄に堕ちてくれ。





 ────俺と彼女の嬌声きょうせいが響き、快楽のままに行われた寝取り浮気。


 彼女には愛し合うはずの幼馴染の彼氏がいて、俺はその彼氏の親友で。

 快楽に溺れた禁忌の交わり。


 彼女の額に浮き出た汗を優しく指で拭ってあげると彼女は微笑を浮かべ、乱れた前髪を耳にかけて俺にそっと口付けをする。


 そうして熱に浮かされたように彼女は本音を呟く。


 一緒のお墓に入りたい。

 お墓の中で私とあなたの灰をぐちゃぐちゃにかき混ぜて……ずっと一緒に。


 俺はそうして何もかもが1つになってしまうことを想像して、ゾクリと。

 それはたまらない快楽だ。

 そうして彼女に、いいよと告げる。


 全てはあとの祭り。

 言葉通りの1つの身体になってしまった俺たち。


 彼女は寂しそうに笑った。


 生まれながらの罪を抱えた身体に巻き込んでしまったのは俺のさらなる罪で。


 悪いのは彼女じゃない。


 耐えきれずに彼女に優しく口付けをすると、漏れ出す偽りの愛の言葉。


 唇を解き放ち、顔をあげると絡み合ってしまう2人の視線。

 2人の関係同様、真実はどこにもない。


 ただこのときだけは、彼女の瞳から溢れた雫が俺の口の中に落ちてきて。

 それは甘くもしょっぱくもなく。

 ただひたすらに苦かった。






 そこで意識が目覚めた。


「大丈夫?

 ちょっとうなされてたよ?」


 服は着ている。

 親友の彼女の心配する声で、俺は夢から目覚めたことを知った。

 染み入るような音色の彼女の声が俺に落ち着きを取り戻させる。

 うたた寝でもしたのだろう。


 そうか、夢だったか。


 まだ心臓がバクバク鼓動することで夢から覚め、これが現実であることを実感する。

 童貞の俺にはあまりにも刺激が強すぎる夢だった。


 ほっとしながら彼女の方を見ると視線が交わり、彼女は赤い顔でうつむく。


 長い黒髪に清楚という言葉が似合う可愛い少女。


 変な夢のあとのせいか、今日はなんだかやけに色気があるうえに、着ている服も少し乱れている感じがする。


 そうして部屋をよく見ると、ホテルの一室で大きく乱れたベッド。

 その部屋には俺たち2人きり。


 ……どう見ても行為の後だった。

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