REC:2023/07/01_1

橋の入り口には看板が立ててあった

「ここから先、正解のわかるもののみ進め」


僕は首を傾げた

問題はどこにある?


あちこち探してみても見つからない

路行く人に聞いても首を振って通り過ぎるばかり

わからない君が悪いんだ

とでも言いたげだった


躍起になった僕は問題を見つけようと

何日も休まずに探し続けた


そのうち疲れ果てて

腕が上がらなくなって

足が棒のようになって

何も握れなくなった頃


ふと気づいた


そうか、問題は自分が見つければいいんだ

どんなことでも正解を握り締めれば

橋を渡れるんだ

そうか、そんな簡単なことだったのか!


そして僕は橋の前に戻ってきた

満身創痍で

だけどしっかりと正解を握りしめて


あれ、


この橋の向こうに



僕は何しに行くんだったっけ…

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