1日目
導入
あれ?どうしたの?
そろそろ、おやすみの時間でしょ?
眠れないの?
スマホとか、ゲームとか、寝る前にやったら寝れなくなっちゃうよ?
はい。
スマホはおしまい。ね。
一緒に寝よっ。
あたたかいお布団に寝転がって。
ぽかぽかのお布団にくるまって。
仰向けになって、深呼吸。
新鮮な空気を大きく吸って……少し止めて……古い空気を吐き出すように、ながーく吐いて……
(四秒息を吸い、三秒無音、六秒かけて息を吐き出す)
お腹が膨らむくらい息を吸って……少し止めて……お腹に溜まった空気を、ながーく吐いて……
(四秒息を吸い、三秒無音、六秒かけて息を吐き出す)
そうそう。
上手、上手。
息を鼻から大きく吸って……少し止めて……ながーく吐いて……
息を吸って……少し止めて……ながーく吐いて……
(呼吸音が四回続く)
暫く、自分のペースで続けてみて。
ね、リラックスするでしょ。
深呼吸するうちに、心が落ち着いてきて、安心する。リラックスする。
深呼吸してると、ゆっくりと力が抜けていくよ。
じわ~っと、布団に体が沈んでいく感覚。
じわ~っと、体が重くなっていく……
深呼吸しながらでいいから、聞いてくれる?
あのね、昨日、夢を見たんだよ。
キラキラの青い海の夢。
いっぱいの珊瑚が、お花畑みたいに広がって、カラフルなお魚が、ひらひら~って泳いでいくの。
私はお魚を追いかけて珊瑚礁を離れるんだけど、そしたらイルカが私を追いかけてきてくれて、のんびり一緒に海の中を漂って……
すごくキレイな夢だったなぁ。
ねぇ。一緒に、海の夢に行ってみようよ。
ふんわりした、お布団の中。ぽかぽかして、気持ちいいね。
右手、ちょっと意識を向けてみて。
じわ~っと力が抜けていくの、わかるかな。
指先から力が抜けていく。ゆ~っくり力が抜けていく。
肘から力が抜けていく。
二の腕、肩から、力がぬけていく。
ゆ~っくり、力が抜けていく。
左手にも、意識を向けてみて。
こっちも、じわ~っと力が抜けていく。
指先から力が抜けていく。ゆ~っくり力が抜けていく。
肘から力が抜けていく。
二の腕、肩から、力がぬけていく。
ゆ~っくり、力が抜けていく。
今度は両足に意識を向けてみて。
つま先。指の先。じわ~っと力が抜けていく。
膝も、太腿も、じわ~っと力が抜けていく。
体から、力が抜けていく。
滲み出るように、じわ~っと力が抜けていく。
抜けていく。
力が抜けると、手足の輪郭、その境目が曖昧になって、体がだんだんと溶けていくの。
氷が水に溶けるように。
あなたの体も溶けていく。
右手の輪郭が曖昧になって、指先から溶けていく。
肘も、肩も、輪郭が曖昧になって、溶けていく。
今度は左手。
左手の輪郭が曖昧になって、指先から溶けていく。
肘も、肩も、輪郭が曖昧になって、溶けていく。
両足の輪郭も曖昧になって、爪先から溶けていく。
膝も、太腿も、足の付け根も。
輪郭が曖昧になって、溶けていく。
あなたの意識が、溶けていく。
水に溶けて、じわ~っと滲んで、広がっていく。
溶けていく……
溶けていく…………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます