第13話 12月14日
ガタンゴトン、と揺られながら俺はぼーっとしていた。
スマホで時間を確認。
7時24分。
.....まぁ、始業まではギリギリかね。
俺と太一は隣の市から高校に通っている。
それ故に、朝はかなり早かったりする。
まぁ、地元を出て高校から都会の方に行くという選択をしたのは紛れもなく自分自身だけど。
こんな状況にもなると、俺の選択が正しかったとは言えないよなぁ。
田舎の百姓は、黙って自分の畑でも耕してれば良かった。
「ふぁあ」
昨日も色々と太一と策を練っていたせいで、睡眠不足気味。
確かな筋とはいかないが、太一が塚原陽菜のとある噂を聞いたらしい。
今日はそれを2人で確かめに行く予定。
雅も雅で既に動いている。
.....阿久津は知らん。
あいつの仕事はもうちょい先。
今はどこぞの誰かとリアルファイトにでも興じていればいい。
「寝みぃ.........」
電車の大きすぎず小さすぎない揺れが心地よい。
いや待て、ダメだろ俺。
ここで寝たら遅刻確定。
とまぁ.....、俺の薄弱な理性で本能を抑えられる訳もなく。
「.........」
寝た。
最近、昔なじみによく会うからだろうか。
俺は中学の頃の夢を見た。
そこには、太一、阿久津、雅がいた。
全員で、あの古くさい教室で駄べっていた。
——————そこには、七海もいた。
何を話していた、とかは何も分からない。
夢だから、ぼんやりとしている。
でも、皆でただただ楽しかったことは覚えていた。
「フガッ」
俺が目を覚ましたのは、1時間後だった。
当然遅刻!
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