第4話 上級ポーション


「おばちゃん!上級薬草って知ってる?」

「あぁ、この辺にゃ生えてない上級ポーションの材料さ」

「高いの?」

「値段かい?そうだね。状態が良ければ銀貨五十枚くらいかね」

「ブッ!!」

「な、なんだい!汚いねぇ」

「カード召喚」

 俺は迷わず上級薬草を出した。

「こ。これはどこに生えてたんだい?しかもこんな状態のいいのが?」

「秘密だよ」

「…そりゃそうか、あんたユニーク持ちだったね。上級ポーションの素材はいくらあってもいいからあったら持ってきな」

「はーい!」

 本当に銀貨五十枚になった。

 こりゃ、合成様々だな。

 その時、ギルドのドアが開かれると、

「どけ!!重症だ!」

「どうしたんだい!」

 おばちゃんも出てきた。

「ハウリングウルフの群れが出たんだ。それに巻き込まれてテルハが!」

 そこには大きな怪我をしたテルハさんがいた!

「ユート!上級薬草ありったけだしな!」

「はい!」

 さっきの上級薬草を潰して貼り付けている。

 カード合成で上級薬草を作っては出しておばちゃんに渡す。これがポーションなら?

「おばちゃん!ポーションはある?」

「あるよ!ミーナ!ユートにポーションを渡してやりな!」

 ポーションを貰うとカード化して合成する。中級ポーションか、もう一本中級ポーションを作って合成!上級ポーションが出来上がった!

「おばちゃん!上級ポーションだよ!」

「これでテルハは助かるね!」

 上級ポーションをぶっかけてから飲ませると、傷が瞬く間に塞がっていく!

「「やったぁ!!」」

「ユート、アンタのおかげだよ、こりゃ私からの感謝の印だ」

 金貨の入った袋を貰う。

「こ、こんなに貰えないよ!俺もテルハさんには助けてもらったんだ。だからおあいこって事で」

「これは材料代だよ」

「それでも」

「やるったらやるんだよ!」

「はい!」

 俺は金貨袋をカード化してホルダーに入れる。


「えっ!私は?」

「おっ!気が付いたぞ!」

「良かったなテルハ!」

 人が集まっていてよく見えないが気が付いたようで良かった。

「どうしてここに?」

「そりゃあんだけ怪我してりゃここにくんだろ?」

「いや、何で助かったんだ?」

「そりゃユートのおかげさね」

 みんなが俺の方を向く。

「いや、俺は」

「たしか新人の…ありがとう、助けてくれて」

「いや、あの時の借りを返せて良かったです」

 本当に助かって良かった。

「いや。これは借り一つだ」

「えぇ!わ、わかりました」

 鋭い眼光で睨まれたらそりゃハイとしか言えないよ。



 宿に帰るとナイトホーンラビットになった兎丸を少し寂しそうに撫でるモニカ。

「前の方が可愛かったのに」

「でも、兎丸だよ?」

「キュッ」

「エヘヘ」

 兎丸にほっぺにキスされて喜ぶモニカ。

 晩飯はウサギ肉のカレーだった。カレーがあることにびっくりだが、そもそもエアコンや、シャワーがあるのもビックリなんだよな。誰か昔にも異世界転生した人がいるのかもな。


 部屋でポーションを使い合成してみるが中級ポーションまでしか成功しない。さっきからゴミの山ができている。多分成功率があるんだろうな。上級薬草も百パーじゃないみたいだし、上級ポーションはどれくらいだよ。


 ゴミの山は一枚にまとめておいた。なんか効果があれば使いたいが。

 あの時はラッキーだったんだな。

 兎丸も進化したしそろそろ森に進出するか!


 と言うわけでやってきたのは草原の奥。獣の森と呼ばれる森だ。用心して歩くが兎丸は木を蹴って何処にいるか分からない。実質一人かよと思いながら森を探索しているとフォレストディアーがいた!

 と思ったら兎丸に先を越されフォレストディアーは倒れてしまった。

 カード化して兎丸を探すがいない。

「ギャンッ!」

 鳴き声のした方に行くとフォレストウルフがまたもや倒れている。

 兎丸、やり過ぎるなよ?

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