ディープシティ

唯月逆音

1章

第1話

「佐切。またお前宿題やってこなかったのか。

もう怒る気にもなれん。」


という教師の言葉を俺は寝ながらやり過ごす。


高校に入学してから早々1年以上が過ぎ教師はもう諦めの境地に至っている。


クラスメイトから「さすがさぎりん!」とか「佐切が必ずしないから俺も安心して忘れられるよ。」とか聞こえる。


後半のお前だめだろ。


まぁどうでもいいや。


寝よう…。


チャイムが鳴り学校の終わりを告げる。

それと同時に駆け寄ってくる人が一人。


蒼井穹。


俺の幼馴染。


容姿は整っていて昔は言い寄られることも多かったようだが、今でも俺と一緒にいるので最近は減ったようだ。

極めつけに俺と穹は何故か一緒に住んでいるのだ。


家族ぐるみの付き合いだったので、2人とも実家から離れた同じ高校に進学する時待った時、じゃあ一緒住めばいいじゃんとか親が言い始めたのだ。


なんでだよ。


まぁそれはさておき…


「穹、どうかしたの?」


「ちょっとして欲しいことあるから晩御飯前に私の部屋に来てー。」


「わかった。」


何見せつけてくれてんだよと周囲から避難の目線が飛んでくる。


背中刺される前に急いで帰ろ。




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