CPT=1

えんぶりお

Chronos Unwound

第1話:プロローグ

遠い宇宙の彼方に、哲学と物理学が交差する領域があった。それは星々の煌めきと瞬きの中に、永遠の謎が宿る場所だった。


主人公は魂の探求者であり、この宇宙の詩人でもあった。彼は闇の中に秘められた謎を解き明かすため、旅に出ることを決意した。哲学の言葉が真実の扉を開くと信じ、彼は未知への道を踏み出すのだ。


物理学の法則は宇宙の響きとなり、粒子と波が悠然と踊り合う。主人公はその鼓動に耳を澄ませ、宇宙の奇跡を感じるのだった。時間の糸が紡ぎだす物語は、過去と未来が交差し、響き合う美しい音楽のようだった。


彼は孤独な宇宙船に身を乗り込み、星々の輝きに導かれて遥かな旅路へと向かう。彼の心は詩的な響きで満たされ、宇宙の神秘が語りかける。それはまるで、銀河の詩が彼の心に流れ込むような感覚だった。


彼の冒険はまさに詩のような旅であり、宇宙の詩人の探求でもあった。彼は宇宙の祝福を受けながら、存在の奇跡を体験していくのだった。その詩的な旅は、銀河の風に乗って、星の光に包まれながら続いていくのだろう。


時の糸が紡ぎ出す物語は、彼の魂に深く響き渡る。彼の心に宿る詩の力は、宇宙の響きと共鳴し、新たな詩篇が生まれるのだった。彼の小さな存在が、宇宙の無限の詩に組み込まれる瞬間だった。


それは彼の冒険の始まりに過ぎない。彼は銀河の彼方に秘められた謎を解き明かし、宇宙の響きに溢れた詩篇を紡ぎ出す使命を胸に抱いている。彼の旅はまだ…


私はそこで本を閉じた。読書へ胸を踊らせることが悪いことでは無いのを知っているだろう。しかし、あまりにも、こんなにも楽しいのに許されていいのだろうか?


背表紙を撫でながらほぅ吐息を漏らす。知的興奮とまでは行かないが、少し高揚をするほど私にとってこの本はお気に入りだった。


その頁を繰り返し読み返し、頁を優しく撫でる。まるで本との交わりが私の内なる世界に微かな震えを与えるかのように感じられた。この本が私に与える喜びと興奮は、他の何物にも代えがたいものだった。


私は、読書が私にとっての贅沢であり、心の至福であることを知っていた。この宇宙を巡る旅は、私の心を解放し、無限の可能性を感じさせる。本のページをめくる度に、私は新たな世界に足を踏み入れ、想像力の翼を広げることができた。


この本が私に許された喜びなのか、それともこの喜びが私を許してくれるのか、はっきりとは分からない。しかし、心地よい高揚感が私を包み込むたびに、その疑問は忘れ去られる。私はこの楽しみを謳歌し、文字と響きの世界に身を委ねることができるのだ。


許されていいのか、と問いかける自分に微笑みながら、私はもう一度本のページを開き、言葉の魔法に身を委ねる。この喜びを許されることが、まさに私の至福なのだと心から感じながら、文字の奏でる詩を愛でるのだった。


私は突然、周囲を駆け抜けるサイレンの音に思考を引き戻された。鋭く耳に刺さるその音色は、まるで現実と夢の境界線を引き裂くようなものだった。本の世界から引き戻された瞬間、胸にざわめきが広がった。


セキュロンカンパニーの本社は、近未来的なデザインが特徴の巨大な建物だった。鏡面のガラス張りの外観は、光を反射してまるで未来の要塞のように輝いている。周囲を取り囲む高いフェンスとセキュリティシステムは、絶対的な機密保持と厳重なセキュリティを象徴している。


エントランスに足を踏み入れると、洗練された内装が目に飛び込んでくる。光を反射する大理石の床、壁にはモニターが埋め込まれ、重要な情報が流れている。セキュロンカンパニーのロゴが壁に掲げられ、品位と力強さを演出している。


私、クロノアの部屋はセキュロンカンパニー内の特別なエリアに位置している。ドアを開けると、モダンかつ機能的なデザインの部屋が広がる。壁一面には大きなモニターがあり、セキュロンカンパニーのネットワークに接続され、最新の情報や任務の詳細がリアルタイムで表示される。


部屋の中央にはスタイリッシュな執務机が置かれ、そこには戦闘装備が整然と配置されている。腕時計が特別なスタンドに置かれ、その輝きが部屋全体を照らしている。机の上にはコンピューターターミナルや通信機器が備えられ、彼女の任務に必要な情報を管理するための装置がそろっている。


窓からは街の景色が広がり、夕闇に包まれた風景が一望できる。クロノアは時折、窓辺に立ち、街の喧騒を眺めながら思索にふけることもある。彼女の部屋は彼女自身の一時の安息と、次なる任務への準備をするための聖域となっている。


セキュロンカンパニーの会社内部やクロノアの部屋は、機能的かつ洗練されたデザインが特徴であり、未来を感じさせる環境が整っている。



しかし、その一方で、部屋の中には鋭い緊張感が漂っていた。クロノアはセキュロンカンパニーの一員として、危険な任務に挑むことが日常だ。壁に掲示されたミッションリストや情報の流れるモニターは、彼女が直面する現実を冷酷に伝えてくる。


時折、部屋を埋め尽くす沈黙が彼女を包み込む。それは、彼女が直面する過酷な現実と孤独を思い知らせるものだった。彼女は自らを鍛え上げ、知識と技能を磨きながら、厳しい試練に立ち向かってきた。そして、その経験から彼女は悟ったのだ。この美しい部屋は安息の場所ではあるが、それは一時的なものであり、彼女の真の使命は外の世界で果たされるのだということを。


窓の外に広がる街の喧騒は、彼女に未知の挑戦を思わせる。闇に包まれたその街には、脅威や秘密が潜んでいるかもしれない。クロノアは時計台の針が刻む音を聞きながら、心の奥深くに決意を固める。


彼女は決して安寧に身を任せることはない。この部屋で得た知識と力を胸に、彼女は常に新たな冒険に身を投じる覚悟を持っている。セキュロンカンパニーの使命は、世界を守ること。彼女はその使命に生き、自らの存在を誇りに思っている。


次なる任務の詳細がモニターに表示される。彼女は目を凝らし、情報を吸収する。この時こそ、彼女の真の力が発揮される。闇を切り裂き、真実を暴き出すために。


クロノアは静かに部屋の中央に立ち、まずは着替えに取り掛かる。古びた壁にかかる薄暗い照明の下で、彼女は迅速に制服を脱ぎ捨て、新たな装備に身を包む。


タクティカルジャケットを身に纏い、カーキ色の迷彩パンツに履き替える。スーツの質感は堅牢で、しっかりとした防水性を持つ素材が使われている。身体にフィットするシルエットは動きやすさを追求したデザインでありながら、耐久性も兼ね備えている。


次に、アーマーベストを胸元に装着する。強化されたプレートは胸部や背中を覆う。彼女は慣れた手つきでベストのベルクロを留め、しっかりと固定する。


弾薬はチェストリグに収められている。クロノアはカートリッジポーチから必要な数のマガジンを取り出し、スナップボタンで固定する。マガジンの重みと金属の冷たさが彼女の手に伝わり、戦闘への覚悟が一層深まる。


そして、彼女は信頼のサイドアームをホルスターから取り出す。グリップをしっかりと握り、銃を慎重に確認する。スライドを引いて弾倉を確認し、チャンバーに弾薬を込める。銃の重みと冷たさが彼女に自身を与え、彼女は自分の使命に向けて準備が整ったことを感じる。


最後に、クロノアは腕時計を手首に装着する。その時計は単なるアクセサリーではなく、彼女の重要な道具である。デジタルディスプレイが青く光り、時間だけでなくタイマーやコンパスとしても役立つ。彼女はその腕時計を信頼の証として大切に身に着ける。


クロノアは部屋の鏡に映る自分自身を見つめ深呼吸をしながら、自分の姿を確認する。彼女の目には覚悟と決意が宿り、鏡の中の姿は頼もしさと覚悟に満ちている。


部屋の片隅には整然と整列された装備が置かれている。タクティカルベルトには様々なポーチが取り付けられ、ナイフや懐中電灯、応急処置キットなどが収められている。クロノアはベルトを腰に巻きつけ、装備のバランスを調整する。


彼女の視線はタクティカルヘルメットに向けられる。ヘルメットは頭部を保護するための頑丈な構造を持ち、通信装置やヘッドセットが組み込まれている。クロノアはヘルメットを丁寧にかぶり、顎のベルトを締める。視界が制限されることなく、周囲の音や指令を聞き取ることができる。


そして、ヘルメットに噛ませるようにガスマスクのようなフェイスシールドをはめ込む。ぴっちりと顔に張り付き、空気を逃がすつもりは無い。しかしガスマスクと言うよりは呼吸を補助するようなもののようにも見える。


最後に、クロノアはバックパックを背負う。そのバックパックには水筒や追加の弾薬、地図やコンパス、そして彼女の任務に必要な情報が詰まっている。バックパックのストラップを肩にかけ、しっかりと固定する。


準備が整ったクロノアは鏡の前で今一度深呼吸をし、自分自身に対して自信を取り戻す。


深淵なる鏡に映る、クロノアの瞳。


その瞳は冷たさを湛え、果てしない決意を秘めている。


鏡越しに問われるのは、彼女の魂の闇と光、人を殺すという選択の果てにある覚悟。


彼女は一瞬たりとも逡巡せず、凍りつくような視線で自分自身に問いかける。


「この道を選んだ以上、人を殺すことに平気でいられるのか?」


その問いに対し、クロノアは静かに頷く。


彼女は兵士としての魂を抱きしめ、血潮に染まる運命を受け入れる覚悟を決していく。


鏡の中の姿は一層鋭く、冷たさが増していく。


それは戦場での生死を左右する覚悟の深さを物語っている。


彼女の心は氷のように凛としている。衝動や迷いはどこにもなく、ただただ使命に従い、闘うことを選んだのだ。


クロノアは壁に取り付けられたホルスターから手の込んだカスタムが施されたM4A1を手に取った。


そのM4A1は、黒いフレームにスリックなデザインが施され、高度なテクノロジーが融合した近未来的な外観を持っていた。


銃身にはスコープが装着され、サイレンサーが取り付けられている。グリップにはエルゴノミクスを考慮した形状が施され、握りやすさと安定性を追求している。


彼女は銃を手にすると、各部の操作性を確認するために繊細にチェックを行った。マガジンを叩き込み、チャージングハンドルを弾いてチャンバーをのぞき込む。鈍色の光を受け満足そうにチャンバーを閉じた。


スイッチやボタンの位置を確認し、サイレンサーの装着を確実に確認する。


そこまで確認するとスリングを肩に通した。セーフティをかけた。


手に持った時、そのずっしりとした安心感に心が緩む。

肩にかけた時、そのあまりにも軽い責任感に押しつぶされそうにもなった。


さぁ行こう。口を引き締めて部屋を後にした。



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