第2話 翌朝

葵との一件の翌日。

いつもと同じように登校した司だったのだが


「目線を感じる…」


司は学校一の美少女と名高い葵の隣の席という環境だ。

そのため、普段から葵が注目されている隣にいるのだが、今日はその葵からの視線に悩まされていた。


「授業中はちゃんと聞いてるみたいなんだけどな…それに僕が清水さんのほうを向くと目をそらされるし…。」


これでは落ち着いて学校生活を送れない。

ただでさえ昨日のことが気になって仕方がないのだ。

羽が生えているということは鳥人間か何かなのか?

でも見た目は圧倒的に天使だったよなぁ……


そんなことを考えているうちに放課後になってしまっていた。

相変わらず清水さんは僕のことをじっと見ている。

最初のうちはもしかしたら自意識過剰なだけなのかもと思いもしたが、ここまでくるとそんな考えはどこかに行ってしまった。

なぜなら………


「じーーーーー」


教室にはもう僕と清水さんしかいないからだ。

これで誰かほかの人を見ていましたと言われた日には清水さんは人ならざるものが見えているのだろう。


「ねぇ」


ていうかずっと僕のことを見ていたのはなぜなんだろうか?

僕清水さんに何もしてないよね???


「ねぇ」


でも気が付かないうちに何かやっちゃってたのかも…

そう考えると怖いな…

今もずっと僕のこと見てるし


「ねぇってば」

「ひゃい!?!?!?」


気が付くと清水さんの顔が目の前にあった。

俗にいう”ガチ恋距離”というやつである。

にしてもきれいな目だなー


「聞いてるの?」

「は、はい!聞いております!」


びっくりしてつい敬語が出てしまった。

急に話しかけないでほしい。

まぁ呼び出された時点で急じゃないんだけど……


「なんで敬語…まぁいい。あなた、私に何か聞きたいことない?」

「聞きたいこと……」


気いたいことはたくさんある。

なんで今日ずっと僕のほうを見てきたのかとか

昨日寝てしまったのは何なのかとか

もしかして僕にいるのかとか


気になることが多すぎて何から聞いたらいいかわからない。

でもとりあえず昨日のことから聞くべきか。

そう考えた司はおそるおそる口を開く


「えーっと、昨日何で僕は寝ちゃったの?」

「え、そこなの?もっと気になる事あると思う?この羽とか。」


そう言って葵は純白の羽を開く。


「いや、それはいいよ。見たことあるし。」

「え?どういうこと?私の羽見たことあるの?いつ?どこで?」


清水さんのキャラが変わったかのように問い詰めてくる。

きれいな顔がまた近づいてきて正直困る。


「いや、清水さんのじゃないよ。僕が見たことあるのはほかの天使だ。今まで何回か天使というものに遭遇したことがあってね。だからあまり驚かなかったんだ。でも今までは会話した程度で眠らされてのは今回が初めてでさ。だからそっちのほうが気になっちゃって。」

「天使と何回か遭遇…なんか、すごい。」


実際なぜか天使とよく合うのだ。

認識されるような存在ではないはずなのに裏路地に連れ込まれて話をすることがある。

きれいなものを見るのは好きなので、正直得ではある。

天使の羽ってすごく神々しくてきれいだと思うんだ。

まぁ怖くて触れないんだけどね。


「そういうわけだからあまり驚かなかったんだ。あ、安心して?誰かにこのことを話す気はないよ。もし話しても信じてくれないだろうし。」

「…それもそう。なら、いいや。早く帰りなさい。」

「そうさせてもらうよ。」

「でも、まだ監視は続ける。」


そう言うと葵はすっと姿を消した。

空気に霧散するかのように消える彼女を見ながら司が考えたことは


――――え、なんかえっちじゃん


だった。




――――――――――――――――――――――――――――――――


読んでいただいてありがとうございます。

何とか二話目書ききって少しホッとしています。

現在初めての続きモノのを書いていためだんだんとつたなくなることもあると思います。

また、一話二話と文字数が少ないことに関しては申し訳ありません。

目標は3000字なのですが、まだ文章を盛る能力が足りていません。

これから頑張っていきたいと思います。

構想はあるのですがどう話をつなげるかが思いつかないのでしばらく更新できないかもしれません。

ふと出てきたら更新します。

よろしくお願いします。


訂正箇所:前回のラストの司が思ったことを口に出してもらうことにし、「司君」を「新藤君」に変更しました。

まだ好感度はそこまでない。

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