第9話 目黒川沿い
八分咲きの桜と
まだ肌寒い北風の交差する場所
時々触れ合う指と指
まだ言葉にできない距離
貴方は呟き空を仰いだ
私は眩しくて視線を外らした
貴方が見せる笑顔が私だけのもの
なら良いのに
寄り添いながら歩く桜並木に
溶けてしまうその前に
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