売れない調香師が帝王と呼ばれた理由が俺だった件。

pasuta

プロローグ

木枯らしに銀杏いちょうの葉が舞う。

カラカラ、カサカサと乾いた音を立てて風に運ばれ、歩道の隅に見事な黄色の絨毯を敷き詰めている。

もう、こんなにも秋は深まり冬の気配がしていたのか。

昨日まではそんな事、見向きもしなかった事だ。

あたりの景色を、風を感じるのが癖になっている。


それ以外は、今は夢の中に居るで、何も考えられない。

けれど来なければならないと思った。

お前に会うために。




俺は今、博物館の前にいた。

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