その五。美しい

目に見えるすべてが美しい


そらの青色、木々の緑、花の可憐なる少女の唇の色をしている


流れる空気は季節によって違う


春は柔らかな土の匂い


夏はアスファルトを焼く匂い


秋は枯葉の掠れた匂い


冬は北風が鼻を殺す


美しいものを見るたびに私は死にたくなる

相対して死にたいのではなく

崇拝して死にたいのである


日々が私の目には輝いて見えて

色がたくさんあって

幸せで、この世が醜いと思えないほどに


尊さであふれていて

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