第12話
ある病院の一室である医者と母は話をしていた。
「落ち着いて聞いて下さい。娘さんはいつ死んでもおかしくない状態にあります。」
医者は申し訳なさそうに見える顔をする
「そんな…何とかならないんですか!先生言ってましたよね!まだ暫くは安泰だって!」
「予想以上に病気が早く進行しています…」
「お金はいくらでも払います!あの子はま
だこれからなんです。…死んではいけないの。」
黙って首を振る医者と
涙を目に溜めて、手を震わせている母。
「確実に約束できることは我々は娘さんが助かるために、手を尽くすことです。」
「でも、生きる確証はないんでしょう!?」
「それなりの覚悟はしておいてください。
…娘さんへの説明はどうなされますか。」
その決断は親娘にとって、家族にとってあまりにも酷なものだった。
「…私の口から説明します。」
歯車が一つ、狂い出す。
それはまだ誰も気づかない。
でも確かな変化だった。
母にとっても、娘にとっても、
ある少年にとっても。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます