第9話『予想が的中しました』



 第1ゲーム2日目。


 そして、俺の予想が的中した。


 俺達が8時に陽介と善司とで朝食をとっている時だった。


 魔法感知でわかる。たくさんのモンスターが学校に、そして、市内、いや、日本国中にモンスターが出現する。そのモンスターを俺は知っている。


 俺はスマホをいじる。

 確か、俺のおさがりのスマホをあげた仲間(ペット)がいる。

 

 3分後。スマホが鳴る。来たか!

 俺はその動画を視聴する。15秒の短い動画だが。

 どういう状況なのか理解できる。

 

 仲間が映した、動画を俺は陽介に見せる。

「これを見ろ!」

「ん?」

「ほら、善司も見てくれ!」

 二人とものぞき込む。

「こ、これは……」

 善司が目を見開く。


 それはオーガが町を襲っている様子である。

「で、でかくないか!?」

「こ、これはオーガみたいでござる」

 善司が答えた。正解。


「もしかしたら、この学校にも、こういった、ノーマルラビットより強い、モンスターが襲ってくるかもしれない」


「マジかよ!」

 陽介は驚く。


「そうなったら、ひとたまりもないでござる!」

「いいか、二人とも」

「なんだ?」

「どうしたでござる?」


「逃げよう」


「逃げるのか?」「逃げるでござるのか?」

 二人は驚く。


「はっきりいって、俺達がイキって、勝てる相手じゃない。だったら、逃げるのが一番いいんじゃないか?」


「そうだよな。俺達が勝てるような相手じゃないよな」

「そうでござる」

 二人は落ち込む。


「いいか? 俺達は、もうノーマルウサギを30匹倒している。後は生き残れば、200万円がもらえる。逃げるが勝ちだなんだよ」


「そうだよな」


「逃げるが勝ちでござるな」


 二人はぱあっと、明るくなる。


「だから、ノーマルウサギを倒して、生きて、200万円をゲットしよう!」


「そうだよな3日目の朝にはゲームが終わるんだよな? そんでもって、200万円もらえるんだよな?」

「200万円欲しいでござる」

「そうだぞ、手に入るんだぞ」

 

 俺は2二人を鼓舞する。

「俺は生徒会に用事があるから、行ってくる」

「生徒会?」

「ああ、手伝って欲しい事があるみたいで、呼ばれてるんだ」

 実は嘘であるが。


「わかった」

「わかったでござる」


 二人はそれ以上、詮索せず、頷く。


 俺はちょっと心苦しくなるが、しょうがない。


 そして、俺達は別行動となった。

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