第10話『ホーリードラゴンに名前をさずけよう』



 あれから、2週間が経つ。

 

 俺たちは、ゲームクエストでレベル上げに没頭していた。

 今では上級☆×2まで行ってる。

 ペットの数も増えて、78体もいる。

 

 魔王のモンスター生成からは22体だ。

 ますますテイマーらしくというより、魔王らしくなってきた。

 

 秘密基地もどんどん増築、改築し、モンスターにとって過ごしやすい空間となってきた。だが、罠などは仕掛けておらず、生活するためのダンジョン型秘密基地という感じだる。そして、もう一つ驚きの事があった。


「ユリオ様~(ハート)」

「あいよ」

 

 それはホーリードラゴンが人化したのだ。


「ユリオ様、私をギューッと抱きしめてください!」

「はいはい」

 

 うおおおお。

 白いドレスに美しい羽が生えた小さな女神のような女性が俺に抱き着く。

 こんな美しい女子(?)に抱きしめられるなんて、ヤバいだろ。

 特に胸とか、あたってるあたってる。

 破廉恥すぎだ! いいぞ、もっとやれ。

 くそ!頭が沸騰しそうだ。

 それにどことなく、『ゴッドなアイリン』に登場する主人公、アイリンに似ている。なんというか、アイリンが中学生だったらこんな見た目になりそうだ。


「ユリオ様、好きだよ!」

「お、おう!」

 いきなり告白とは反則だろ! いや、これは世辞の好きという意味だろう。


「なあ、ホーリードラゴン。そろそろ、お前に名前をつけようかと思ってる」

「名前ですか?」

「そうだ。お前は俺の仲間だし、それに、いろいろと貢献してくれたからな。褒美みたいなもんだ」

「はい! 名前、欲しいです!」

「嫌だったら、他の名前にするからな」

「大丈夫です! ユリオ様ならきっと、いい名前をつけてくれます」

「おお、責任重大だな」

 俺は苦笑する。いや、本当に責任が重いぞ。

 コホンと咳払いをし、ホーリードラゴンの目を見つめる。

「セイラでどうだ?」

「せいら?」

 アイテムボックスから紙を取り出す。

「セイラだ。漢字だと、聖なる者が来ると書いて、聖来(せいら)」

 なんというか、気恥ずかしいな。こういうの。

「わあああぁぁ――ッ!」

「どうだ?」

「すごくいいです!! なんか、カッコいいです!!」

 嬉しそうに俺の両手を握る。

「おお、気に入ってくれるのか?」

「はいです!」

 セイラが満面の笑みをこぼすと、セイラの頭からつま先まで光に包まれた。

「ど、どうしたんだ?」

「すごく! 力がみなぎってきます!」

「まさか!」

 

 セイラは中学生1年生から中学3年生くらいに成長した。

 もっと、スタイルがよくなる。特に、お胸が大きくなってる。


「なるほど、ネームドになったから進化したのか」

「はいです! おそらく進化しました!」

『ユリオ様』

「お、神崎さんじゃないか」

 俺は神崎さんの解説を聞いた。


「今回の場合、進化カードを使わなくても、進化させる事ができたのか」

『はい、ただ名前を授けるだけじゃなく信頼度が高さも関係します。どちらかというとユリオ様が魔王だからでしょう。魔王には様々な特典があるのです』

「なるほどな」


 他のペットにも同じ事をしたら、そうなるんだろうか?

 試す価値あるな。

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