第10話 〜適性検査と修羅場……?〜
「次は、その部屋に入ればいいのか?」
クルミは「そうやで〜?」と頷く。
適性検査が行われている部屋に入ると、石像の隣にいた灰色の猫が口を開いた。
「では、魔法陣の中心に入り……適性検査を受けてください。」
部屋の床には魔法陣が沢山あり、既に……受けてる生徒たちは、魔法陣の中心に立っていた。
「ほな、またな!」
「あぁ、後でな?」
クルミは空いてる魔法陣に入って行った。
私も、空いてる魔法陣を見つけて、入って行った。
すると、頭の中に……声が聞こえる様になった。
『適性検査では、第10代目魔王を基準値とした思考適性を測ります。また、第10代目魔王に対する知識の簡単な確認を行います。思念を読み取るため、不正は100%できません故、ご了承ください。』
なるほど……【
嘘をついたとしても、見抜いてしまう魔法の1種だ。まぁ、私なりの領域なら不正は出来る。
だが、私の事で不正しても意味は無い。
『では、最初に……第10代目魔王の始祖は名前を呼ぶ事さえも恐れ多くて言えない人が居ますが、その本名の名前を言いなさい。』
━━━━━━━━迷うわけが無い。ヘルフリート・マーベラスだ。
『神話時代……始祖はラ=グーアを壊滅するぐらいの力を持つ炎属性 最上級魔法……「
……懐かしい話だが、、なんか、違う。
その時は、勇者が毎回来るから寝不足で、寝ていたのだが、、寝ぼけてしまってやってしまっていたのだが、、その時の魔族達は死んでなどないぞ?
なんなんだ? この質問……私はそういう完全な悪役非道じゃないぞ?
おい、誰かが"違う"と言ったり、思ったやつ出てこい。お説教だ。
『逆らう者は全員皆殺し。と言うのが始祖の条理であったと言われていますが、これが魔王として正しい理由を述べなさい……。』
なんだ? 引っ掛け問題か?
逆らう者は全員皆殺しとかは1度も言ってない。
殺す必要があっても殺さないのが私の心理だ。
ただ、あの時代はもっとも最悪な時代で
殺さない限りは、変な奴らが好き勝手に暴れるし、救う者も救えないから敵に回っただけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
『では、次の質問なのですが━━━━。』
などと、適性検査は……続いた。全て、第10代目魔王の事……つまり俺の事を聞いていた為、スラスラ答えていた。おかしな質問ばっかではあったが……な??
それから、1時間後……適性検査が終わり、俺はその部屋から出る。
帰り際に灰色の猫が学院の入学について説明していたが、全て聴き逃しながら大鏡の間を抜けて行く。
すると、クルミが外で待っていた。
空を見て雲を数えていた。
「あぁ、待たせたな……寂しかったか?」
と、私がそう言うと……「うん!! 寂しかったで?」と素直に言った。
寂しかったなら……なんか詫びを入れなきゃ行けないな。
「そうだなぁ〜。お互いに合格をしたんだ。遊びに行かないか??」
そう、私が言うと……
「私と……?? いいの!?」
と、目をキラキラ輝かせたクルミに言う。
私は、頷いた……。
「行く!! 行かせて欲しい!!」
「じゃ、、行くk…」
「えーりーざーべーーす!!」
「ぐふぇ……!?」
しまった……。見つかってしまったか……。
「えぇっと……この方は?」
「えぇっとだな。従姉の……レイン・ルーガスだ。」
「どうも、初めまして〜。従姉で、嫁確のレイン・ルーガスです♡」
……おい、いつ嫁を確定した? すると、クルミは少し……ムッとしながら対抗する。
「じゃ、私は親友 兼 旦那で!!」
……おい、張り合うな?! 何か逃げ道は……あぁ、そうだ!!
「なぁ、2人とも……私の家に来ないか?? 多分、母さんが……凄いご馳走を作って待ってるだろうしな!!」
そう、私が言うと……両者とも「チッ…」と言う音が聞こえた。おい、舌打ちすな。
『じゃ、行きましょ!!』
と、2人は言って私の腕を両サイドで組み、歩き出そうとするのを私は、止めた。
「こっちの方が近道だ。」
私は、根源魔法で瞬間移動をした。
その次の瞬間……目の前には、、ヤクザ組で有名な「エリザベス組」の家に着く……。
「着いたぞ……ここが私の家だ。」
「え、、えぇぇぇぇぇぇぇえ!? アリスってエリザベス組の坊ちゃん!?」
と、クルミは驚いて口が開いたままだった。
でも、、唯一知っていたのは……その従姉であるレイン・ルーガスだ。
━━━━━━━━まぁ、本来ならば……隠してた事なんだがな? クルミにならなんかバラしてもいい気がしてな。
「だから、アリスは根源も魔法も何もかも天才なんだな!!」
天才……か。否定しなくもないが……前世はそんなこと言われなかったな。
化け物だの怪物だの……死んじゃえだの。
……大変だったな。
「なぁ、アリス? お前ってナニモンなんや??」
「第10代目魔王の始祖だ。」
クルミは……初めて1回、黙って頷いて……再度振り向いて、言った。
「転生した……のか……?」
「信じるか……?」
と、言うとクルミはジーッと私を見つめた。
「証拠は……??」
「魔力量だ。後、起源魔法。今は、そんなことしか言えん。」
そうやって私が言うと……クルミはまた黙って俯いてしまった。
本来の魔王と言うのは力を証明するものだと私は思っていた。しかし、今は……皇族だの、、純血だの、、混血だの、、表面的なことばかり固執しすぎているこの時代では、少々……私とこの世の考えとは違っているかもしれない。
「エリザベスの魔力は膨大すぎて見えへんし、底を知れない分……分からないな。」
クルミが見えないなら……他の連中も確実に見えない。
━━━━━━これ以上……困らせても仕方ない。
「まぁ、その内に分かると思うぞ? ……ほら、行くぞ。」
「おう!!」
「ほら、ルーガスも来ないと置いていくぞ」
「あ、待って〜!!」
そして、俺は家のドアを開けたのだった。
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