第159話

 まあ、でもまだ困ることはないので、今後パーティーを強化する必要があるというときにまた検討すればいいだろう。


 ちなみにここまでの強化で、日々稼いでいた素材と現金はほぼなくなった。

 ……合計金額でいえば億近くの金を使ってるから、当然といえば当然なんだけどな。


 現金をゴールドに変換するために、アクセサリーを買い漁るというやり方で多少は今でも儲けは出ている。

 それに関しては、すべて経費として落とせるというのも、税理士に相談して分かったしな。


 俺がスキルに関して濁しながら税理士に伝えた結果がそれだった。

 内容としては「装備品からステータスを強化する装備品を生み出せる」というような感じだ。

 税理士曰く、「そういうスキルを使っている」と公式の場に発表すれば問題なく経費にできるそうだ。


 だからまあ、いずれ【商人】についても濁しながらかすべて打ち明けるかはともかく、発表する必要がある。

 俺がステータスの発表をしたとはいえ、結局市場の装備品に関しては今のところ特に変化はない。


 ……結局装備のステータスに関してはわからないことが多いからな。

 一応、レアリティの高い装備品はステータス強化の割合が高いとは言ったので、高難易度迷宮の装備品などは前より値段が上がったくらいか。


 それでも、依然としてアクセサリーの評価はあまり高くない。

 まあ、前よりはステータスを補うためにと買う人は増えているようだが。

 前ほど還元率はよくないが、それでも2000万円が3000万ゴールドくらいにはなったな。


 まだゴールドには余裕があったが、俺の強化よりも澪奈とカトレアも強化したいんだよな……。

 軽く伸びをしてから、俺は森に生息している魔物のステータスを調査していく。


 スケルトンナイト レベル103 筋力:693 体力:248 速度:798 魔法力:211 器用:322 精神:319 運:110

 ステータスポイント:0

 スキル:【剣術】

 装備:なし


 スケルトンウィザード レベル124 筋力:397 体力:346 速度:796 魔法力:875 器用:271 精神:514 運:101

 ステータスポイント:0

 スキル:【火魔法】【氷魔法】

 装備:なし


 オーク レベル114 筋力:621 体力:758 速度:709 魔法力:241 器用:422 精神:419 運:410

 ステータスポイント:0

 スキル:【槍術】

 装備:なし


 オーガ レベル125 筋力:871 体力:723 速度:899 魔法力:321 器用:501 精神:492 運:531

 ステータスポイント:0

 スキル:【斧術】

 装備:なし


 ……やっぱ、この辺の魔物どもは化け物だ。

 生放送用にステータスをメモしながら、分身たちを数体単位で派遣する。

 さすがに、分身一体ではこのラインの魔物は厳しい。それでも、四体くらい使えば、何とかなる。


 少しでも奥に行くと、これだからな……。

 ゴブリンリーダーも強くはあったが、それでもスケルトンナイトなどと比べるとまだまだ弱い魔物だとわかる。


 今日から新しい魔物と戦闘する理由は簡単だ。


 マンネリ化していた配信に変化をつけるためだ。

 最近、ゴブリンばかりと戦っていた俺たちの異世界探索に対しての注目が減り始めていたからな。

 ゴブリンと戦いながらの雑談くらいしかやることがなかったからな……。


 もちろん、視聴者も俺たちが危険な戦いをしているのは承知しているだろうが、それでもやはり変化がないと注目度は下がっていくものだ。

 新しい風を吹かせる必要があり、そのために俺はめっちゃ強化しまくったのだ。

 来年の税金も考えずにな!


 まあ、そろそろ森の攻略も終わらせたいからな。

 異世界をもっと見て回りたい。その気持ちは、俺たちの中にも確かにあった。

 森に派遣していた分身たちをインベントリに戻した俺は、自室の分身を使って部屋へと戻った。


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