第24話 介護施設の事情

他人の痛みがわかるほどに苦しい思いをしてきた。

人の感情ではなく、表情や苦しさでよくわかる。

私は1年ほど介護施設にいたけど、頑張ると言うより慣れることを頑張ってた。

だけど、暴言を吐く高齢者の世話をする先輩職員さんを見て、私は逃げ出したくなる事が何度もあった。

やっていることは普通のことなのに、自分のことを褒めてくれる人なんて誰もいないし、いるわけなかった。

しんどい気持ちを抱えたまま私は私の船を漕いだ。

でも、砂船だからどんどん沈んで呼吸が出来ないんだ、

頑張ってるのに誰も私のことなんて見てくれない。

私の頑張り方が足りないからかな。

精神科を受診する前まで苦しくて仕方なかった。

生きてて良いことすらわからなかった。

でも、今は切実にやり残した事があるから死にたくなんてない。

l'm not dying.

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