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その日の月は3日目にしては少し太めの、おそらく4日目の月だった。

数日前に見た月はかなり細目をしていた。きっと1日目。

そんなことをわけもなく考えていたら、視界を少しも動かしていないはずなのに街灯の眩しさがどうにも気になってしまって、少し月から視線を外した。

よく見ればあちらこちらに、白にも赤にも青にも光るあれやこれやが当たり前の景色として、見慣れた世界に佇んでいる。

月が放つ光は、それをキャンバスに塗りつけた色としても見えるのに、街灯やらの強い光は本当に光としてしか認識できないようだ。

近いからだろうか。すぐ近くにある光を強く感じられるのは自然の定理。

月の鑑賞に、街中はあまり適さないのかもしれません……

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