第2話 共通の公式

新たな朝が、川田光司と春野莉緒の前に広がる。今日もまた、彼らの数学への情熱が交差する日が始まる。


図書館での出会いから数日が経ち、二人は一緒に数学の問題に取り組むようになった。莉緒の鋭い洞察力と光司の緻密な論理が絡み合うことで、彼らは新しい数学の世界を見つけ始めていた。


「光司、これ見て。この問題、さっきの公式を使えばもっと簡単に解けるよ。」莉緒は光司に向かって語りかける。


「そうか、なるほど。それなら、ここの部分は……」光司は、自身の解法を改良していく。


そんな彼らの授業が続く中で、二人は互いに共通点を見つけ始める。それは、数学への情熱だけでなく、孤独を愛するという点でもあった。そして、それぞれが何かを探し求めているという点でもあった。


「川田くん、どうして数学が好きなの?」ある日、莉緒が光司に向かって尋ねる。


「うーん、それはね、数学は明確だからかな。解答があって、その答えを見つけるための手順がある。それがすごく安心するんだ。」光司は真剣な顔で莉緒に答える。


「私もそう思うよ。でも、私の場合は、数学が持っている美しさに引かれるんだ。それぞれの数や公式が組み合わさって、完璧な答えを生み出す。それがすごく魅力的だと思うんだ。」


「なるほど、それは面白い視点だね。」光司は莉緒の言葉に驚きながらも、その視点に共感する。


その後も二人の交流は深まり、彼らの間には新たな絆が生まれ始める。それはただの友情ではなく、同じ目標に向かって進む仲間としての絆だった。



「数学とは、共通点を見つけ出し、それを利用するもの。そして、莉緒と僕もまた、共通点を見つけた。それがこれからどんな影響をもたらすのか、まだわからない。でも、それが楽しみでもある。」

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