1回目の訪問

1回目の訪問は、実家から引っ越して3ヶ月くらい経った頃でした。

夕方でその日はパートナーが夜勤で不在、僕一人だけでした。

その頃は田舎で暮らしていた癖で、僕自身かなり不用心なところがありました。

インターホンが鳴り、玄関のドアを開けてしまいました。


「〇〇新聞の〜です〜。」と年配のタバコくさい男性が来ました。

日本人のよくある苗字を名乗っていましたが見た目は外人でした。

よくある新聞の勧誘でしたが、この頃の僕は上手く断るということが

苦手で扉を閉めるまで10分ほどかかりました。相手が引くきっかけになったのは

僕が嘘も方便で「流行病の名前」を言ったことです。


ドアを閉め鍵をかけた後、僕はインターホン越しに外の様子を見ました。

販売員は隣の住人のインターホンを何度も押し、その場に15分ほどいました。

僕は怖くて去るまで部屋から出ることができませんでした。

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