第4話 ダンジョンの穴から這い出るもの

ダンジョンに穴が開いてることで、撮影をどうしようかルルネが悩んでる。


「コボルトの居場所で穴が開いてるし、撮影は中止すべきなんだけど・・・」


「それじゃダメなの?」


「もう、中継を楽しみにしてるファンの人たちがいるし」


「でも、ちょっと危険じゃないかな?」


「困ったわね。・・・場所を移動しようかしら?」


「ファンの人に相談してみたら」


「そうしてみるわ」






ルルナがファンの人に相談した。


「コボルトのいる場所に大きな穴が開いてるらしいの。どうしたらいいと思う?」


> 撮影は中止すべきだね。


> 穴があるなら地下からモンスターが出てくる危険がある。


> 俺らはいいよ。物干し竿の活躍は別の日にしよ。


よかった。ファンの人は理解がけっこうできる人たちみたいだ。


「・・・わかったわ。撮影は中止にするわ。ありがとう。下僕さんたち」


撮影は中止になって、そこから、僕らは逃げるように外へ移動。


「とりあえず早くダンジョンから出た方がいいと思うわ」


「誰がダンジョンに穴を開けたんだろ?」


「高ランク冒険者だと思うわ。私たちじゃ穴なんてダンジョンに開けられない」




道を戻ってる途中で色々な人が合流して来る。


みんな少しパニックになってるかも。


ダンジョンの1Fにいる人なんてすごく弱い人たちだから。


僕も含めて。


「・・・早く外に出ないと」


「怖い想いをすることになっちゃったわね」


「いきなりダンジョンの穴から飛び出てくる敵っているの?」


「下層の方からだとものすごく強い敵がいるわね」


「・・・とにかく今は逃げないと」




入り口付近に移動したらまずいことになった。


ダンジョンの入り口が混雑して外に出られない。


「・・・まずいわ。ダンジョン中から人が逃げて来てるから」


「他のフロアの人たちも一気に外に出ようとしたんだね」


「上岡ダンジョンは入口のゲートがひとつしかないから」


「不便だよね。認証カード通さないと出入りできないなんて」


「仕方ないわ。犯罪者対策だから」


「・・・入口が押しあいへし合いで揉めてる人たちがいるね」


「・・・このままだと私たちがダンジョンから出るのはいつになるか」


僕らが嫌な予感を覚えていると、遠くの方から爆音が響いた。


「!!! まずいわ!! たぶん下層から何か敵が上がってきたみたい」


冷や汗が出る・・・。

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