第18話

〈烈火の剣Side〉


「はぁー!?私、マッピングなんてやってないわよ!なんで、私なのよ!!」




「「「!!!!」」」



「なんで、マッピングしてないんだよ!!ルナは、マッピング出来ないって言ってたし、カイトも俺も前衛で陣形組んでるだからリナしかマッピング出来ないだろうーー!!」


 実を言うと、カイトもヤマトもマッピングのような細かい作業が苦手だから今までハルトに押し付けていたのだが、そもそもこの中でマッピングを出来るメンバーが居ないのだった。マッピングは基本中の基本だが、苦手意識がある烈火の剣はハルトがやるから出来なくて大丈夫だろうと考えていたのだった。



「だったら、ダンジョンに入る前に言いなさいよ!!やってないんだから仕方がないでしょ!今から戻って、マッピング出来る人雇いなさいよ!」



 この烈火の剣は、マッピング、トラップ察知、トラップ解除、ポーター兼雑用という事が全部できる人が当たり前のようにいると思っている。


 他のパーティーはどうなっているかというと、トラップ探知や解除に優れたアサシンなどをパーティーに入れている。ポーターは、マジックバッグがあれば済むのだがマジックバッグはとても高価だから高ランクかたまたま宝箱から手に入れた人しかもっていない。

 烈火の剣は、売ってしまったのでもちろん持っていない。雑用なども本来はローテーションでやるのが普通だ。



「仕方がない。地上に戻って立て直すぞ!じゃあ、道案内よろしくな!」



「私は、知らないわよ!!ヤマトが行く方についていってるだけだもん!!」

 

リナが自信満々に言うが、どうしてそんなに誇らしそうに言っているのかわからない。

 マッピングをしていないので誰も道が分からず彷徨うはめになるのだった。


 暫くしてようやく地上に着いた一行は、みためが、かなりボロボロで周りの冒険者がコソコソと会話をしていた。


(なぁなぁ、あれってBランクの烈火の剣だよな?何であんなにボロボロなんだ?)


(そりゃから、かなり深い階層のフロアボスと戦ったんだろ?)


(俺たち、たしか烈火の剣が入って行ったのみたぞ?にさ!)


(マジか!?じゃあ、そんなスピードで深層にもぐったのか!?すげぇー!)


などなど言っているが、実は2階層を彷徨っている時にトラップを踏んづけてボロボロになっただけだった。



「クソ!何なんだよ!!今まで、トラップなんてなかっただろう!」



「も~イヤー!服がボロボロ~」



「トラップもそうだけど、何で誰も解除出来ないんだよ!」



「私、そんな細かい作業が苦手だしそう言うならマッピングとトラップ解除と雑用とポーターできる奴雇えばいいじゃない!あのクズハルトにだってマッピングと雑用出来たんだから!」



 ヤマト、ルナ、カイト、リナがそれぞれ文句を言うがこれがきっかけで破滅へと進むのだった。


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