第29話 ぶっちゃけ、コレが書きたいから麻里はさらわれたのよねぇ……。

 「バネ太っ、来るぞっ!」

 「あぁ、やってやるっ!」


 俺達は麻里の前と後ろに立ち、手出しをさせない様に陣形を取った。


 一応空手をやってたからな、何とかな……って、鉄パイプとか反則だろっ! オイ


 ピピピピーっ! ピピーっ!

 「武器は反則だよーっ! ダメーっ!」


 ……麻里、そんな事やって言う事聞く訳ないじゃん。


 それでも俺は鉄パイプを振り下ろす相手を軽くいなして正拳突き! 


 「グハァッ!」

 よしっ!


 蓮はどうだ?


 蓮は運動神経の固まりだから、鉄パイプを華麗に避けて足元に蹴りを入れる。


 「アァッッ!」


 倒れた相手の鉄パイプを奪い俺に投げた。


 「受け取れっ、バネ太っ!」

 「サンキュー、蓮っ!」


 鉄パイプを受け取り、構え、そして襲って来た相手を……あの時麻里と行った『JASAC』での練習を思い出し、叩く!


 「ボヘッッ!!」


 よしっ、イケるっ!


 ……と思ったその時、奥の扉からさらに悪そうな顔の奴らがゾロゾロと、……何人いるの、アレ?


 「ギャハハハハっ!」


 龍也の高笑いと共に俺達は囲まれた。


 「もうっ、殺しちゃってもいーぞ! でも女はダメだぞ! 俺が抱くからな!」


 そして更に大きな声で、

 「ギャ〜ッハッハーッ!!」



 すると、


 「そこまでだっっ!!」



 

 その声と共に、薄暗い倉庫に光が射すように扉が開いた!


 「だっ、誰だっ?」

 

 光の中、一人づつポーズを取りながら、


 『ノブナガレッド!』

 『マサムネブルー!』

 『ヒデヨシイエロー♡』

 『シンゲンブラック!』

 『イエヤスピンク♡』



 「俺達は、悪を滅す正義の武将!」


「「「「「戦国戦隊武将ファイブ」」」」」


 そこには、来春公開予定の戦隊ヒーロー、武将ファイブが現れた!


 そして後ろには、社長っ! 

 

 ……て事は、


 高石さん達が来てくれたんだっ!


 『赤羽君っ! 間に合ったみたいだな! ちょうどコレ来て稽古してたら王子から連絡が来て、だったらこのまま行くぞーってな!』


 マスク越しに高石さんの声がした!


 「何だアレ? ガキの遊びじゃねーんだ、オマエら、やっちまえ!」


 「「「オリャーっ、死ねーっ!!」」」


 「バネ太ーっ! 後ろに下がれーっ!」

 社長が叫んだ。


 「お前達は声優だろーっ! それならここでやるべき事があるんじゃないのかーっ!」


 そうだ、俺達は声を届ける仕事だ!

 高石さん達に勇気を届けるんだっ!


 「蓮っ、いくぞっ!」

 「おぉっ、バネ太っ!」


 俺達はスーツアクターさん達の動きに合わせて声を当てた。


 敵にパンチを当てる 「「ハーッ!」」

 ジャンプする    「「トォーッ!」」

 

 敵の攻撃を受ける 「「ウワァーッ!」」


 麻里 「ピピピピー」←しつこい


 本気のバトルにいい大人二人が隅っこで声を当て、側で若い女がホイッスルを吹くという中々のカオスな状態。


 流石毎日稽古を積んでいる武将ファイブの中の人達は、次々と悪そうな顔の人達をやっつけていく。


 ん? 龍也、龍也が居ないっ!


 「きゃあぁぁっっ!!」


 何と、龍也はこっそり近づいて麻里を人質に取った。


 「お前らっ、これ以上動いたらこの女殺すぞっ!」


 麻里の首元にナイフを近づけて叫んだ。


 「いやぁぁっっーっ!!」

 涙目の麻里はホイッスルが吹けない。



 武将ファイブも手が出せずに次々と倒され、形勢は一気に逆転した。


 「ギャハハハァーッッ!!」


 「お前ら、アイツら全員縛り上げろっ!」


 「「「ウォリャーァァッッ!!」」」


 残っていた数人の悪そうな顔のヤツらが鉄パイプを持って俺達目掛けて襲ってくる。


 このままじゃ、ヤラレるっ!


 「うわぁぁっっ!! 龍兄ぃ〜っ、もうヤメロォ〜っっ!!」


 何と、またもや翔也が、龍也にフラフラになりながらも突進した。


 「ザケンなっ、翔也っ!」

 軽くかわしてケリを入れている瞬間、



 『麻里をっ、離せぇ〜っっ!!』



 俺は龍也に突進し、拳を振り下ろした。


 「ぐはぁっっ!!」


 すぐ後ろから蓮も来て、


 「沙樹のかたきだぁ〜っ!!」


 「ギャアァァッッ!!」

 龍也の顔面にクリーンヒット!!


 龍也は吹っ飛んだ。


 それを見た武将ファイブも次々と悪そうな顔のヤツらを倒していく。


 『麻里っ! 大丈夫かっ!』


 俺はその場でしゃがみ込んでいる麻里を強く抱きしめた。


 「そっ……、……って!」


 泣きながら何かを伝えようとする麻里に、


 『どうしたっ、麻里っ? もう大丈夫だ、俺がついてるっ!』

 

 涙声で、麻里が言った。



 「その声で、…………もっかい言って!」



 あっ……、


 ……『あの声』が、……戻った。

 忘れてた、『あの声』思い出した!



 『麻里っ、思い出したよっ!』

 「うんっ!」


 『お前の、……おかげだよっ、麻里っ!』

 涙が溢れて止まらない。


 「ヴァネ太ァァッッ!!」

 

 麻里の顔は涙でグチャグチャになっていた。


 『ありがとう、麻里♡』

 「わだしっ、だでぃぼ、じてないぃっっ」



 麻里の頬の涙を拭い

 『愛してるよ、……麻里♡』


 「そっ、その声っ、しゅ、しゅっ……」



 言い終わらない内に、唇を塞いだ。



 第30話につづく←最終回じゃないよ!



 ※※


 はい、タイトル通りです(笑)


 ココを盛り上げるにはどうしたらいいのかしら? と思って龍也を超イヤなヤツにしようと思ったら暴走しかけたのでした。←やっと言えた♪


 ついに『あの声』をバネ太が思い出しました。 て事は、この茶番劇も終わりが近づいて参りましたよ!


 「……これ以上盛り上げられるのっ?」

 「黒桜蘭は出て来ないの?」

 「ベンツは無理だけどミニクーパーなら買ってあげるよっ!」


 そんなアナタは♡★フォロー、そしてレビューなんて書いてもいいのよ! てへっ♪


 ♪読んで頂きありがとうございました♪





 



 






 




 


 

 

 

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