第24話 閑話 セルフレイティングは『無し』なのよねぇ……♡


 蓮がいそいそと控室を出て行ったので、俺もなんだかたまらなく麻里に会いたくなってきた。


 本当は見に来て欲しかったんだけど、作者が書き忘……、どうやらまだ麻里は人が沢山集まっている所は苦手らしい。←本当か


 だから家で配信を見るって言ってたけど、ちゃんと見てくれたかな?


 スマホを見たら麻里からLIMEが来ていた。


 『バネ太、カッコよかったよ♡』

 『もし、打ち上げとか無かったら、……ウチ来る?』



 『ご飯作って待ってるね♡』



 マジか?


 麻里の家には初めて行くんだけど、……いいのか?


 まぁ、付き合ってるんだから当たり前なんだけど、……何かドキドキするぞ?


 ご飯作って、って、……作れるんだ! 割と家庭的なのかも知れないな、うん。


 俺は急いで返信した。


 『蓮もさっき帰ったし、俺も今から帰るから、一時間後にはそっちに着くよ!』


 

 ※※※



 送られて来た住所を辿って麻里のマンションまでやって来た。


 ……ウチのコンビニから歩いて五分もしないトコだった。


 そりゃそうだ、初めて会った時は夜中で雨降ってたもんな。近くに住んでるのは知ってたけど、まさかこんなに近いと思わなかったよ!


 エントランスで部屋番号を押すと、

 『は〜い♡』


 自動ドアが開きエレベーターに乗り、麻里の部屋まで足早に進む。


 ピンポーン


 ガチャ


 「おかえり〜、ふふっ♡」


 満面の笑みで迎え入れてくれた。


 思わず俺は

 「『ただいま、……会いたかった』」


 玄関前で麻里を強く抱きしめていた。


 「ちょ、ちょっと……その声、……ズルい♡ しゅっ、しゅきいぃ〜っっ!!」


 そのまま唇を重ねていたら、


 「ばっ、バネ太ぁ、お鍋、火つけっぱなしだから……、暑かったでしょ? さっきバネ太のコンビニ行って適当に下着買ったから、シャワー浴びておいでよ!」


 麻里はキッチンに走っていった。


 「今日はカレーだよーっ♪」


 脱衣所で服を脱いでいると、そんな声がしたけど……、ん? カレーの匂いしないぞ?



 ※※※



 「ふぅ〜っ、サッパリしたぁ〜っ! シャワー、ありがとな!」


 脱衣所からリビングに来て、麻里のいるキッチンを見て俺は、……固まった。


 「……」

 「……♪」


 「麻里さんや……」

 「何ですか? ……バネ太さん♪」

 

 「『ご飯作って待ってるね』って、書いてありますよね?」

 スマホを麻里の顔に近づけて言うと、


 「ふぁい♪ 『ご飯』は炊きましたよ!」


 「鍋でグツグツ言ってるのは何ですか?」

 「『カレー』ですけど?」


 「『レトルトカレー』ですよね?」

 「『レトルトカレー』ですけど?」


 何ですか? と言わんばかりに、


 「もうすぐ出来るから、ソファーに座ってテレビでも見ててよ!」


 そうだよね、ご飯作ってくれてるんだから、文句ないよね、うんうん。


 「あっ、サラダはバネ太のコンビニで買ったのだから、出来合いでごめんねー!」


 そう言いながら、テーブルにランチョンマットを敷き、ウチで買って来たサラダをドンっと置いた。


 (出来合いって意味、知ってるのか?)


 スプーンとフォーク、缶ビールを並べて炊飯器からお皿にご飯をモリモリよそって、


 「いっぱい食べてねー! お腹空いてるだろうから、大盛りだよー!」


 レトルトカレーをその上からドバドバ……って、男前だな、おいっ!


 「さぁ、召し上がれ、麻里ちゃん特製カレーだよっ♡」



 「お、おぅ、いただきます……」


 テーブルに両肘をつき、両手に顔を乗せニコニコしながら俺の食べるトコを見ている麻里。


 「美味しい?」

 「美味しい……よ」


 「それだけで足りる?」←メガ盛り

 「あぁ、……(もう)充分だよ!」


 「じゃ、残りのカレー私食べよっと♪」


 そう言ってぴょんと立ち上がり、自分の分をよそってレトルトカレーをかけた。


 ……もう一袋あったのか?


 色々突っ込んでも良かったけど、ヒロインなのに四話ぶりに登場して来てケンカとかしたくないよね。


 「ごちそうさま!」

 「はい、お粗末さまっ♪」←コラ


 麻里は食器を持ってキッチンに行き、洗い物をしながら、


 「洗い物終わったら一緒に今日の配信のアーカイブ見よっ♪」



 ※※※



 二人並んでソファーに座り、改めて缶ビールで乾杯をして、配信を見始めた。


 四話ぶりの麻里は寂しかったのか甘えん坊になっていて、手を握り指を絡めて俺の肩に頭をちょこんと乗せてきた。



 「あははっ、バネ太顔強張ってるよ〜!」

 「仕方ないだろっ、目の前に千人居るんだぞっ、千人っ!」


 「ねっ、制服着て正解だったでしょ?」

 「あぁ、ウケて良かったよーホント!」


 「……」

 「……」


 「練習より、上手く出来たね♪」

 「始まったら緊張しなかったんだよなぁ」


 「あっ、ココしゅきぃぃ♡」

 「練習の時も言ってたよなー♪」


 「あっ、『ともちょ』出て来たーっ!」

 「アレ、めっちゃ驚いたよー!」


 「……『ともちょ』可愛いね」

 「あぁ! 顔、こんなだったぞ!」


 絡めていた指を離して両手で小さく輪っかを作った。

 

 「それなのに、……あんなおっぱい大きいし、ウエストもキュっとして、お尻もクイっと上がってるの、羨ましいなぁ〜」


 「あぁ、胸も大きくてお尻も……」


 パチーン!

 あれぇ、麻里から言ってきたんじゃん!


 「バネ太、……ともちょの事チラチラ、チラチラ見て、……ほらまたっ!」


 「えっち、変態っ!」


 麻里はジト目でプンスカ俺を見ている。


 「確かにっ、確かにチラチラ見てたよ! すげ〜いい匂いしたし、その……胸も大きくて目がいっちゃうし……」


 俺は真剣な顔で麻里の目を見つめて、


 「でも、『俺が好きで、大切なのは麻里、おまえだけだよ!』」


 麻里はみるみる真っ赤になり、


 「しゅっ、……」

 慌てて口を両手で押さえて、


 「そんな、ちょっと『いい声』出せば私が『しゅきぃぃ〜っっ♡』とか言うとでも思ってるんでしょーっ! バカにしないで! 私、そんなにチョロくないんだからーっ!」


 ほっぺを膨らませてプリプリして言った。


 「『ともちょ』よりも……『麻里』がいいんだよ、俺を救ってくれたのは、麻里なんだから!」


 ありのままの俺の声で囁いた。


 「だっ、騙されないんだか……」


 強く抱きしめて、唇を重ねて……、


 「『麻里が、……欲しいんだ♡』」

 「しゅっ、しゅきいいっっ♡♡♡」


 タイミング良く、ともちょの歌が流れ出した。


 「もう、……ズルい、電気、……消して♡」



 ※



 そして……、


 肝心の三人での朗読劇は、翌日の朝にベッドで腕枕をしながら……見た? ん、また?

 


 第25話に、○・○・○ ♪



 ※※


 さて、お遊びはこれ位にして、次回からちょっとイヤな展開が続いて行くのです。


 「残酷描写ってなんだよー?」

 「今までセルフレイティング無しだっただろー?」

 「オマエ『ポップでライトなラフランス姫』じゃないのかよーっ、オイッ!」

 

 私だって書きたくて書く訳じゃないわよっ! だから離脱しないで♡★フォローしてぇ〜!!



 ♪読んで頂きありがとうございました♪

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