第19話 しのぶと沙織
『それは、どういう意味?』
早まったか、せっかく好意的なコメントをもらったのに、、、
『いや、姉と比べて、すごいまともというか、、、』
『ああ、そういう意味でしたか』
うん?
『え、どういう意味だと思ったの』
『つい、ラインだということを忘れて、見た目を言われたのかと』
『見た目がだいぶ違うの?』
『いや良いです』
また、勢いでコメントを入れてしまって、すぐ取り消したが、、、
『ううん、どうせ明日か、明後日に会うことになるんだから、隠しても意味ないかw』
ここはフォローしておかなきゃな。
『いや、どっちでも良いです。
僕は見た目で人を判断しませんから、大事なのは中身です!』
『いえ、それだと私が見た目、姉より劣っているかもと思ってるんですよねw』
『いえ、そんなことはちっとも思ってないけどなぁ』
本当に思ってないけど、鋭い子だな。
『好みは人それぞれだと思うけど、姉と違って、私は地味、大人しい、』
『おとなしいの?』
興味をそそられたので、そう訊いてみた。
『文字の会話と、リアルでは印象違うと友だちは言いますね』
『ほお』
『大人しいですよ。
見た目の続きですが、
姉の165に対して、自分が150だから、その点は少しコンプレックスが、、』
俺は背の高い子も、小さい子も、両方いけまっせ。
なんせ、スマホの交際ゲームでは、様々な女子高生と付き合ってるからねw
『150、上等ですよ!
やまとなでしこは、昔からずっと、そのくらいです』
相手が3次元だということを忘れかけ、俺は少し調子に乗っていた。
『幸太さん、おもしろいw』
おや、このイベントはクリアかw
『なんか、しのぶさんに会えるのが少し楽しみになってきたw』
『姉の沙織も一緒ですけどねw』
『ああ、そ う で す ね』
現実に戻された。
明日か、明後日が怖い、、、
『今日の目的は、これで済みました。
じゃあ次会う時まで、ちゃお』
ちゃおって、いつの子だw
それに目的とか、 こいつもフライと同じで、最後に含みを持たせるなぁ、、、
『今日の目的って』
『人見知りなので、会う前に少し慣れておこうかと思ったの』
普通の理由だったw
『りょ。 じゃあまたね』
スタンプの交換で、ライン会話終了っと。
沙織とは、大分タイプが違うみたいでほっとしたぜ。
「ご主人、電話とラインでは、へたれじゃないみたいだね」
様子を観察していたらしい、クモミンがやな事を言う。
「へたれは、俺には禁句だぜ」
気分が軽くなっていた俺は、そのディスりを軽くいなす。
「分析すると、女子を目の前にすると、言いたいことが言えなくなるってことですよね」
ハエトリグモのくせに、ぐいぐい来るな、当たってるけど。
「さっきの経験からは、そういうことになるのかな」
「そんなことだろうと思って、ご主人に、ちょっとしたアイテムを開発しておいたんだけど」
そう言って、クモミンは中空から何かを引っ張り出して、画面の前に置いた。
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